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胃潰瘍:ピロリ菌特集

浦岡 正義

胃潰瘍:ピロリ菌特集

2次除菌療法をしても除菌できないときは?

2次除菌の成功率が95%と、高い除菌率を示していますが、決して100%ではなく、2次除菌でもうまく除菌できなかったかたには、3次除菌への期待が高まっています。 このため大学病院などで、様々な併用療法が試みられています。 なかでも現在、強い抗...
心理学のはなし

リスキー・シフト

イギリスがEUを離脱したという衝撃的なニュースが報道されたとき、英国内では「こんなことになるんだったら、反対票を投じておくんだった」と嘆く声が、あちこちで聞かれました。 しばらくして米国でも、泡沫候補といわれたトランプ氏が、おおかたの予想を...
糖尿病

血糖値スパイクとは

健康診断では異常がないのに、知らないうちにからだの血管が痛めつけられ、最悪の場合突然死に至るといわれれば、まったく途方に暮れてしまいます。 つまり、食後1~2時間だけ血糖値が急上昇し、やがてまた正常値に戻る。 糖尿病ではなくても、このような...
新しいガン情報

新しいガン免疫治療剤 “免疫チェックポイント阻害薬”

役割の不明な蛋白質「PD-1」 免疫細胞は自分以外のものを拒絶し、攻撃してからだから追い出そうとします。当然ガン細胞に対してもよそ者と認識し、これを攻撃します。こうして、私たちのからだはこの免疫システムによって守られているのです。 日本を代...
医の倫理

生体認証技術

信頼度の高い生体認証 生体認証とは、人のからだや行動上のくせなどを元に、個人の認証をおこなう技術です。あらかじめその人の情報を登録しておき、認証する際に、センサーで得られた情報と一致するかを判定します。 最もポピュラーなのは指紋ですが、その...
環境問題

心地よい“ゆらぎ”

心地よさのもと 「人生はゆらぎながら進んでいく」などというと、情緒的でいかにも根拠のない話しに聞こえますが、わたしたちのからだの生理や四囲の自然現象を詳細に観察すると、しばしば心地よい不安定さがみられるというはなしです。 つまり、ひとを含む...
免疫のはなし

過剰な免疫を防ぐ“制御性T細胞(Tレグ)”

自分自身を攻撃する「自己免疫」 今から100年前、ドイツのノーベル医学賞受賞者・ポール エールリッヒは、免疫システムが自分自身を攻撃する「自己免疫」という現象があることを提唱しました。 しかもそれは何らかの方法で抑制されていると考え、自己免...
免疫のはなし

臓器移植後の画期的免疫療法

生体肝移植と拒絶反応 1960年代の初めから開始された肝臓移植は、すでに世界で10万件を超えておこなわれています。とくに欧米ではごく一般的な医療として定着しており、その大半は脳死の提供者から施行されています。 ところが我が国では、欧米にくら...
栄養ミニ知識

栄養素の基本情報

エネルギー源となる体脂肪 三大栄養素とは糖質、脂質、タンパク質をさしています。 炭水化物(糖質)は、最も小さな糖である単糖を組み合わせた有機化合物をいいます。 炭水化物は、その分子式が CmH2nOn で表され、一見、炭素(C)に水(H2O...
健康ミニ知識

起死回生の治療法となるか“糞便微生物移植”(FMT)

一人ひとり景色の違う腸内フローラ 私たちの便は1000種類で100兆個以上の細菌が、それぞれ同じ仲間の細菌たちと群れをなして、腸の表面にびっしり敷き詰められています。 その様子は一見、お花畑のように群生しているところから「腸内フローラ」(腸...
健康ミニ知識

体脂肪を燃焼させるには

体脂肪を燃やす筋トレ 筋肉に負荷をかけて筋力を強化するトレーニングを筋トレといいます。腕立て伏せ・腹筋・スクワット・ダンベル体操など、瞬間的に強い力が必要な無酸素運動が中心になります。 このときはまず、筋肉に貯めておいたグリコーゲン(糖質)...
脳のはなし

アルツハイマー病を予防するヒント

特効薬のない認知症 アルツハイマー病は認知症の最も代表的な病気で、高齢者にみられる認知症の半数を占めています。 徐々に記憶や思考する力が失われ、日常生活の簡単な作業すらできなくなり、寝たきりになってしまう進行性の病気です。 認知症の推定患者...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎とは?

特別な誘因がなく、大腸の粘膜に無数のびらんや潰瘍が連続性に発生し、何年にもわたって、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。 最初は直腸に潰瘍が発生しますが、徐々に奥の方へ向かって病変が広がり、放置すると大腸全域にびらんや潰瘍をつくって...
潰瘍性大腸炎の最新治療

なぜ潰瘍性大腸炎になるか?

潰瘍性大腸炎の原因として最も可能性が高いといわれているのが、自己免疫の異常です。 からだを外敵から守ろうとする自己防衛システムが故障し、自分のからだの一部(大腸)を外敵だと勘違いして攻撃してしまうため、大腸に潰瘍をつくってしまうという説です...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎の症状とは

最初は原因不明の腹痛と、排便時にドロッとした粘液が出現し、下痢傾向となります。 さらに病気が進行すると、便に赤い血が混じるようになり、ほっておくと出血がひどくなり、下痢の回数も10回~20回と頻繁になります。 この状態が続くと腹痛も強くなり...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎 発見のきっかけは?

食べ物にあたったわけでもないのに、腹痛を覚えるようになり、排便時粘液に血が混じるのに気付いて病院を訪れることが多いようです。 そのほか原因不明の微熱や貧血、体重の減少などが発見のきっかけになることがあります。
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎の患者数について

20歳代の若い男女がかかりやすい病気で、男性は20~24歳、女性は25~29歳がピークとなっています。 もともと北欧系の白人に多いといわれていましたが、近年、我が国でも食事の欧米化により、患者数が急増するようになったといわれています。 ちな...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎の診断

まずは血性の下痢や腹痛などの症状を参考に白血球・CRP・蛋白分画などの血液検査をおこないます。 ついで大腸内視鏡検査をおこない、生検組織を採取して確定診断します。 注腸X線検査は徐々に行われなくなってきていますが、病変の分布状況・潰瘍の深さ...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎の治療目標

第1目標は「寛解導入療法」 潰瘍性大腸炎の治療にあたっては、以前は症状の消失するのが目標でしたが、これでは再発しやすいため、現在は内視鏡検査で病変の消失(粘膜治癒)するのを治療目標にしています。 しかし潰瘍性大腸炎は治りきるということがない...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎の治療方針

潰瘍性大腸炎の治療は、主に炎症を抑える薬剤と免疫を抑える薬剤、また原因となっている活性型白血球を取り除く治療に大別できます。 1.炎症を抑える 5ASA製剤(ペンタサ、アサコール、サラゾピリン) ステロイド剤(プレドニン) 2.免疫を抑える...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎 第1の治療薬 “5ASA製剤”

5ASA製剤とは 5ASA(アミノサルチル酸)は炎症性細胞から放出される活性酸素を消去し、ロイコトリエンの生合成をおさえて、大腸粘膜の炎症を抑える潰瘍性大腸炎の切り札ともいえる薬剤です。 メサラジンとは 現在、サラゾピリンとメサラジン(ペン...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎 ペンタサとアサコールの違い

ペンタサ 「ペンタサ」も「アサコール」も、ともに中身はメサラジンですが、ペンタサは時間とともにメサラジンを放出するため、小腸で55%、大腸で45%が吸収され、小腸・大腸の両方に効くようにつくられています(クローン病のような広範囲の病変に向く...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎の治療薬 ステロイド(副腎皮質ホルモン)

ステロイドの魅力 ステロイド薬は、非常に強力な抗炎症作用、免疫抑制作用、抗アレルギー作用を持っています。 このため、ペンタサ、アサコールだけでは効果不十分な炎症でも、これを抑えこむことができるのです。 しかしながら、ステロイド剤は治療効果が...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎 第2の治療薬 ステロイドホルモン

最初はプレドニソロン(プレドニン)20~40mg/日で内服を開始します。 副作用を防ぐため、ステロイドの長期投与はなるべく避け、極力、10mg/日までに抑えるようにします。 ステロイドを減量や中止した後は、短期間で繰り返し投与をしないように...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎 直腸炎型の治療

経口剤としては5ASA(アミノサルチル酸)が基本となります。 ペンタサなら1.5~4.0g/日、アサコールなら 2.4~3.6g/日、リアルダなら2.4~3.6g/日、サラゾピリンなら 3~4g/日を使い分けます。 直腸病変のため、5ASA...