唾液によるガン診断

唾液の成分を分析するだけで、膵臓ガン、口腔ガン、乳ガンを診断するという画期的な方法を開発したという報告です。

慶応大学先端生命科学研究所が米カリフォルニア大ロサンゼルス校との共同研究で明らかにしたもので、2010年6月28日、オランダのアムステルダムで開催中の国際メタボローム学会で発表しました。

杉本昌弘講師によると、唾液によってガンを診断しようとする研究は、以前から世界中でされていますが、精度が低いため実用化のめどが立っていなかったそうです。

今回彼は膵臓ガン18人、乳ガン30人、口腔ガン69人の患者さんと、健康なかた87人など合計215人分の唾液を分析しました。

そして唾液に含まれる500種類の物質から、健康な人とガンの人で濃度に差がある54の物質を特定し、そのうち1物質だけでは濃度の差が不明瞭なため、いくつかの物質を組み合わせて濃度の差を調べました。

その結果、膵臓ガンでは、フェニルアラニンなど5物質を組み合わせると99%の確率で、他のグループと区別することに成功しました。

同様の方法により、乳ガンでは95%、口腔ガンでは80%の精度で他のグループと区別することが可能でした。

従来、膵臓ガンや口腔ガンは早期発見が困難で、救命率の低いガンとして恐れられています

膵臓ガンには超音波検査やCT検査と同時に、CA19-9、CEAなど血液で腫瘍マーカーを測定する方法がとられていますが、ガン以外の病気でも異常を示すことがあるため、診断は必ずしも容易でありません。

また口腔ガンは直接目で見て診断する以外に方法がなく、いまだ有効な腫瘍マーカーは見つかっておりません。

さらに乳ガンはマンモグラフィー、マンマエコーなどの画像診断に頼らざるをえないのが現状です。

今回の発表は、患者さんの負担が軽いうえに、早期発見の困難なガンに対し期待できる診断法が開発されたという点で、注目すべき成果といえます。

近い将来実用化されることが大いに期待されます。

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