遺伝子診断

ひとの遺伝子を調べ、その結果と症状を合わせて診断するのを遺伝子診断と言います。

遺伝子の診断が出来るようになれば、すぐにでも遺伝子の治療が出来そうですが、なかなかそうはいかないのです。

そのへだたりは思ったより大きいのが現実です。

2003年4月ヒトゲノム解読終了宣言がされ、ヒト遺伝子の塩基配列の全貌があきらかになりました。

これで一挙に遺伝子診断や治療が解決するかにみえましたが、意外に解析は進んでいないのです。

ガンが発症するかどうか

がんの原因になる遺伝子はたくさん見つかっていますが、ガンが発症するかどうかを正確に判定する検査は、ほとんど無いのが現状です。

そのなかでも今のところ最も役立つと考えられているのは、APCという家族性大腸ガンの原因遺伝子です。

また、乳ガンの原因遺伝子として、BRCA1が注目されていますが、たとえこの遺伝子に変異があっても3人に2人は乳ガンにならないと言われており、まだまだ研究段階の域をでていません。

繰り返しますが、ガンの大半は遺伝しません。

遺伝するのはガン全体の5%程度ですから、それほど神経質になることはありません。

それでも一族に特定の癌が多発している場合は、遺伝を無視できません。

遺伝子診断

こういう場合は遺伝子診断を受ける意味があるといえましょう。

そしてもし遺伝子に異常が見つかれば、定期的に検査を受けて早期発見あるいは早期治療に結び付けることができます。

ただ遺伝子治療というのは、異常になった遺伝子を正常化するわけではありません

過大な期待は禁物です。

詳しくは遺伝子治療の項を参照してください

一方では、遺伝子診断の問題点も取り上げられています。

遺伝子診断の問題点

つまり診断はできても治療法がない病気の場合、どう説明し、どのようにケアーしていくかがむつかしいのです。

また遺伝子検査で陽性になったからといっても、必ずガンになるわけではないのですが、ガンから逃げられないと悲観して、結婚や就職を断念したり、子供をつくるのを諦めたりしがちです。

場合によっては、周囲の人から偏見や差別を受ける危険もあります。

逆に、検査結果が陰性であっても食生活に気を付けなければ他の人と同じようにガンになる可能性があるのに、自分はガンにならないと思い込む危険もあります。

ですから遺伝子診断は、いまのところ早期発見につながるメリットがはっきりしている場合に限って、行わなわれているのです。