なぜガンになるか?

すべての癌は遺伝子の病気で、遺伝子が変異することによって発生します。

間違ってならないのは、癌は「遺伝子の病気」であって、「遺伝する病気」ではないということです。

遺伝するガンもわずかにありますが、ごく一部です。

癌のほとんどは、日常生活の中で突然変異によって引き起こされると考えられています。

とくに細胞分裂の過程でのDNAの複製ミス(コピーミス)や、放射線や化学物質・ウイルスなどによりDNAが傷害を受けることによって発生します。

DNAのミスと修復

わたしたちの細胞は、日常の正常な代謝活動にもかかわらず、頻繁にDNAの複製ミスを繰り返しており、さらに紫外線などの傷害もあわせると、DNAの損傷は1日1細胞あたり最大50万回も発生するといわれています。

こうして驚くべきことに、がん細胞の発生は私たちの一生で10億回もあることが推定されているのです。

それにもかかわらず、発ガンしないのは、DNA修復遺伝子がひっきりなしに、DNAの損傷を修復しているからだといわれています。

しかし、修復が追いつかなくなり、損傷したDNAがガン関連の遺伝子である場合には、発ガンの危機にさらされることになります。

このように、生命の設計図である遺伝子に傷がついてコントロールできなくなったものが癌細胞です。

正常細胞は遺伝子の中に分裂周期がプログラムされており、そのプログラムに基づいて、増殖・分裂を繰り返しますが、癌細胞は分裂停止の命令を無視して暴走を始め、さらにはほかの組織へも侵入・転移していきます

癌遺伝子と癌抑制遺伝子

癌の発生や進行に関わる遺伝子は癌遺伝子と癌抑制遺伝子の2種類に分けられます。

これらの遺伝子に異常が起こると癌が発生したり増殖したりします。

癌を自動車に例えると、癌遺伝子は自動車のアクセル、癌抑制遺伝子は自動車のブレーキに相当します。

すなわち癌遺伝子の異常はアクセルが踏み込まれ自動車が加速した状態、癌抑制遺伝子の異常はブレーキが壊れて自動車が止まらなくなった状態と考えられます。

正常細胞では、DNAに傷がないかどうかのチェックが完了するまでの間、癌抑制遺伝子によって細胞の分裂はストップがかかっています。

もしそこで異常がみつかれば、傷が修復されるまで分裂は停止されます。

しかし癌細胞が発生すると、癌抑制遺伝子が失われたりその一部が変異するため、元の正常な細胞に比べ早いサイクルで分裂を繰り返すようになってしまいます。

こうして癌遺伝子や抑制遺伝子の異常が積み重なりますと、自動車が暴走するように癌細胞は増殖していくのです。

現在までに分かっている癌遺伝子は約200種類、抑制遺伝子は約30種類です。

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