ガンをひきおこすウイルスや細菌

細菌
ガン発生の原因のひとつにウイルスがあげられます。

最もよく知られたウイルスが、EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)で、ヘルペスウイルスの一種です。決して稀なウイルスではなく、成人に達するまでに、ほとんどの人が感染します。

ところが一部のひとに、EBウイルスによると思われる上咽頭癌の発生することが知られています。また、胃ガンにもEBウイルスの関与を強く疑う症例が、約10%みられています。

しかし今なお、その発ガンのメカニズムは明らかにされていません。ただ最近、癌関連遺伝子のプロモーター領域に、高頻度に密度の高いメチル化のみられることが分かってきました。

上咽頭ガンは、鼻づまり・鼻出血・耳鳴り・耳閉感・難聴・頭痛などで発症しますが、かなり早い段階で頸部のリンパ節に転移するため、首のリンパ節のしこりで発見されることがあります。

ヒトパピローマウイルス

つぎにガンをひきおこすウイルスとして、ヒトパピローマウイルス(HPV)があげられます。

ヒトパピローマウイルス(HPV)はヒトにのみ感染するウイルスで、性交渉によって相手に感染しますが、手指を介しても感染することが知られています。

ヒトパピローマウイルスは子宮頸ガンや皮膚ガンの原因ウイルスとしてだけではなく、口腔ガン・中咽頭ガン・外陰ガン・肛門ガンに関わりがあることが報告されています。

とくに口腔ガンや中咽頭ガンの半数近くは、オラールセックスによるヒトパピローマウイルスの感染が原因と考えられています。

上咽頭ガンと異なり、嚥下時の痛み・のどの腫れ・のどの不快や痛みが中心になります。

ヒトパピローマウイルスには100種類以上ありますが、そのうち16型と18型が、とくにガンの発生に関係しているといわれています。

肝臓ガンと肝炎ウイルス

また、肝臓ガンの多くは肝炎ウイルスが原因で発病することが分かっています。

このうち、C型肝炎ウイルスによるガンが70%B型肝炎ウイルスによるガンが15%を占めています。

これらのウィルスは肝臓に炎症を起こし、何十年もかけて肝硬変となり、最終的に肝臓ガンを発生させます。ただ、B型肝炎には肝硬変にならず、そのままガンになる場合があります。

ガンを引き起こす細菌

つぎにウイルスだけでなく、ガンをひきおこす細菌も注目されています。

ピロリ菌はその代表的な細菌です。

細菌が棲息できないはずの胃液のなかで、ウレアーゼを用いて産生するアンモニアで、胃酸を中和しながら生きている唯一の細菌です。

ピロリ菌が胃の壁に針を刺して、毒素をもったCagAを注入すると、胃の粘膜にあるタンパク質(SHP2)と結合し、細胞の異常増殖がおこってガン化が始まるといわれています。