放射能汚染

懐中電灯
放射性物質を懐中電灯に例えると、放射線は光、放射能は光を出す能力です。

この放射線を出す能力(放射能)をベクレルといい、からだへの被曝の大きさをシーベルトといいます。

放射能汚染は、皮膚に付着した粉末や液状の放射性物質がまわりの人やものに付着し、広がっていきます。これは外部被曝です。

一方、放射性物質は食物とともに口から、あるいは大気を吸いこむことで体内に吸収されていきます。吸収された放射性物質は体中に広がり、放射線を放出し続けます。これは内部被曝です。

先の原発事故によって、大気中に放出された放射性物質は、風にのって周辺地域に広く拡散し、そこに住む人々や地表に降り注ぎました。

さらに雨に流されて、窪みや側溝などに集まっていきました。無論、農地の土壌にも放射性物質が降り注ぎ、作物に取り込まれていきました。

放射性ヨウ素

放出された放射性物質のうち、実際、農作物や飲料水で問題とされている元素は、放射性ヨウ素放射性セシウムです。

ヨウ素131は揮発性が高いため気体として遠くまで運ばれ、雨と共に降下しました。

人体に入ると甲状腺に集まるため、あらかじめヨウ化カリウムを飲んでおけば吸収をブロックし、甲状腺癌のリスクを減らすことができます。また半減期が8日と短いため、現在ではほとんど残っていません。

放射性セシウム

放射性のセシウムは、原子力発電の燃料であるウランが核分裂する際にできる放射性物質です。

このとき、セシウム134と137が生成されますが、セシウム134は半減期(自然に崩壊して半分に減るまでの期間)が2年であるのに対し、セシウム137は30年と非常に長く、気体になりやすいため、遠くまで運ばれ、降雨によって土に入りました。

セシウムはプラスの荷電をもったアルカリ金属で、土の中でマイナスの荷電を持つ粘土鉱物と強く結合します。

したがって作物に吸収されるセシウムの量はさほど多くありませんが、土壌に拡散したセシウム137は、牧草などによって濃縮、吸収され、これを餌とする家畜にも取り込まれます。

内部被曝

その後、セシウム137は家畜の尿や汗などから速やかに排出されますが、土壌汚染が続く限りこのサイクルは繰り返され、家畜の体内に吸収されて内部被曝が継続することになります。

そして私たちがこの家畜の肉を食べた場合、セシウム137は消化管から吸収されて全身に運ばれます。

セシウムは化学的にカリウムとよく似ているため、からだの細胞に取り込まれやすく、そこから放射線を出します(内部被曝)。

ちなみにセシウム137の半分は約70日で、からだから排泄されますが、放射線被曝による発ガン、心臓疾患、不妊などの可能性が懸念されています。

現在セシウムの除染にあたっては、汚染された土や草木、汚泥などの廃棄物を集めて隔離したり、地中に埋めて遮蔽する手段がとられています。

また、取り除く手段として、汚染土壌に反応促進剤を添加し回転式電気炉で1,300度以上に加熱する方法や、土中のセシウムを吸収する働きを持つとされるイネ科植物「スイートソルガム」を栽培し、それを原料にバイオエタノール燃料などを製造する方法が試みられています。

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