臍帯血(さいたいけつ)移植

Baby
今までは、子供が生まれたとき、へその緒や胎盤に残っている血液(臍帯血)は捨ててしまっていましたが、これを捨てずに利用しようとするのが臍帯血移植です。じつは臍帯血には、赤血球や白血球、血小板などの血液細胞をつくりだす造血幹細胞が豊富に含まれているのです。

造血幹細胞とはいわゆる血液の元になる細胞で、大人では骨髄にしかありませんが、生まれたばかりの新生児の血液にはたくさん流れているのです。

これを白血病骨髄異型性症候群・再生不良性貧血・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの患者さんに移植(といっても点滴です)しようとするものです。

目的は大きく2つに分類されます。

ひとつは、将来本人がもしも白血病などを患った時に、治療できるようにという保険のようなものです。

つまり両親がわが子のためにお産の時に臍帯血を採って保存しておこうとするものです。

これはあくまで個人的な目的の保管ですから、民間バンクに依頼する必要があります。

10年で20万円を超える費用がかかり、採取できるのは、提携する医療機関に限定されていますが、いつどんな時間に出産しても対応してくれます

もうひとつは、白血病などで苦しんでいるの患者さんのために、これを利用してもらおうという公的な意思に基づいています。

この場合は全国に8箇所ある公的バンク「日本臍帯血バンクネットワーク」と提携している100以上の公的病院で出産することが前提となります。

現在すでに2万検体以上の臍帯血が保管されており、これだけあれば大抵HLA型(からだの細胞にある自他を認識する型)の合う臍帯血が見つかるだろうといわれています。

臍帯血バンク

臍帯血バンクでは、臍帯血の採取をはじめ、検査・分離・保存・供給・データ管理など作業が多岐にわたるため、公的バンクの経営はきわめて厳しく、常に国庫補助を受けている状態です。

臍帯血移植と骨髄移植はあまり差がないように思われがちですが、臍帯血の造血幹細胞は、正確かつ早く増殖する能力に長けています。

そのため、骨髄移植で使われる10分の1程度の造血幹細胞で骨髄移植と同等の効力を発揮することが分かっています。

また骨髄移植に比べて、主に自分の臍帯血を使うので拒絶反応の心配が全くありませんし、HLAの型がある程度一致すれば親、兄弟、他人にも用いることができます。

骨髄移植の場合にはドナーへの意思確認や検査に手間取るため、3~6ヶ月間を要するのです。その間に患者さんの容態が悪化する事態も憂慮されます。

ただ、臍帯血移植は採取できる量が少量であることや、移植後の血小板の回復が遅いなどの欠点もあるのです。

我が国での非血縁者の臍帯血移植は年々増え続けており、近年骨髄移植と肩を並べる勢いになっています。

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