サイトカイン

v91o348fサイトカイン(細胞の作動物質)とは、免疫の反応により細胞から分泌されるタンパク質で、自分のそばにいる細胞にからだに必要な情報を伝達し、さまざまな生理現象をおこします。

しかも、一つのサイトカインが何種類もの情報を提供することができます。

このため細胞が用いる言葉ともいわれています。

作用は生体防御免疫、あるいはリウマチなど炎症に関係したものが多く、そのほか細胞の増殖・分化や造血・内分泌・神経など多岐にわたります。

その働きはホルモンに似ていますが、サイトカインにはホルモンのような産生臓器(甲状腺や副腎など)はなく、極めて少ない量で、サイトカインが産生されたわずかな範囲だけに作用します。

サイトカインの中には、相手の細胞の状況によって、別のサイトカインの産生を早めたり、抑えたりする高等テクニックをもつものがあります。

また、サイトカインには自らの働きを阻止する物質があり、サイトカインの作用時間が長くなると、これを抑えるように働くようです。

つまりサイトカインの作用が必要以上に及ばないように調節しているとおもわれます。

また、ひとつのサイトカインが産生されることにより、つぎつぎにサイトカインが産生されるという連鎖反応(サイトカインカスケード)をおこすことが、しばしばあります。

この場合、おおもとのサイトカインの活性を抑えると、それに連なるサイトカインの産生をすべて制御することができます。

さらに、感染に対して免疫系の過剰な防御反応のおこることがあり(トリインフルエンザなど)、大量のサイトカインが産生(サイトカイン・ストーム)されて気道が閉塞したり、多臓器不全をおこして死に至ることもあります。

サイトカインは現在、数百種類が発見されていますが、以下にその主なものを示します。

インターロイキン(IL)(interleukin)
白血球の間で相互に働く生理活性物質という意味の造語で、現在までに30種以上が見つかっています。主に白血球間での情報伝達を行い、細胞の分化や増殖、活性化に関与しています。

従来、サイトカインはその作用の内容を見て命名されていましたが、複数の作用を持つ場合混乱がおこるため、白血球から産生されるサイトカインの遺伝子が確認されたものから、「インターロイキン何番」と命名することになっています。

インターフェロン(IFN)(interferon)
ウイルス感染時に産生されるサイトカインとして、インターロイキンより前に発見、命名されていました。

ウイルスの増殖を阻止したり、腫瘍細胞の増殖を抑えます

腫瘍壊死因子(TNF-α)(tumor necrosis factor-α)
慢性関節リウマチなど高度の炎症時に増加する、強力な炎症性サイトカインです。腫瘍細胞を壊死させる働きもあります。
成長因子(GF)(growth factor)
特定の細胞に対して増殖を促進するサイトカインで、上皮成長因子(EGF)・線維芽細胞成長因子(FGF)・血小板由来成長因子(PDGF)・トランスフォーミング成長因子(TGF)などがあります。

近年、サイトカインの過剰な産生により高度な炎症をひきおこしている病気(慢性関節リウマチやクローン病など)に、サイトカインを阻害する薬剤が著名な効果を示しています。

一方ではインターフェロンやエリスロポエチンなど、サイトカインそのものが慢性肝炎や腎性貧血の治療薬として用いられています。