消毒薬の選びかた

消毒は滅菌と異なり、全て微生物を殺滅するのではなく,感染を起こさない程度に微生物の数を減らすのが目的です。しかるに滅菌では、高温で熱したり、ガスを用いるため、人体に適用することはできません。

消毒薬は,殺滅の対象となる微生物により、高・中・低水準の3つに分類されます。

高水準消毒薬

高水準消毒薬は,ほとんどの微生物(細菌やウイルス)に有効で、医療器具や住宅空間が対象となりますが人体には使用することができません。

たとえば、「過酢酸」は最も強力な消毒薬のひとつで、透析機器や内視鏡機器の消毒に使われています。刺激臭があり、金属を腐食しやすいため、マスク、ゴーグル、手袋を着用する必要があります。

中水準消毒薬

塩素系漂白剤(ハイターなど)として有名な次亜塩素酸ナトリウムは、強力な殺菌力があり、本来高水準消毒薬とすべきですが、脂肪や蛋白が付着していると効力が落ちるため、中水準消毒薬に分類されています。

上水道やプールの殺菌、キッチンや洗濯用の殺菌、カット野菜の漂白などに使われますが、取り扱い書をよく見て、0.02~0.1%に希釈して使わなければなりません。

次亜塩素酸ナトリウムは、ノロウイルス・ロタウイルスに対して強力な抗ウイルス作用があるため、その消毒剤として最も適しています。

人体に使用できるのは中水準消毒薬と低水準消毒薬です。

中水準消毒薬は、大半の微生物に効果がありますが、低水準消毒薬ではその適応範囲が狭まります。

中水準消毒薬のうち、ヨードチンキを改良したポビドンヨード製剤(イソジンなど)は速効性がなく、皮膚に塗布し乾燥することで抗菌力を示します。エタノールと異なり、うがい薬や傷口の消毒に使うことができ、大半の細菌・ウイルスに有効です。ただし、トイレや調理器具などの消毒には使えません。

これに対し、エタノールは,一般細菌のほか、ウイルスにも強力な抗菌作用をします。なかでもヘルペスウイルス,A型インフルエンザウイルスなどには有効ですが、残念ながらノロウイルスには効果がありません。また、手の消毒や医療器具、トイレや調理器具には使用できますが、皮膚の傷口には使用できません。

低水準消毒薬

つぎに低水準消毒薬として、クロルヘキシジングルコン酸塩(マイクロシールドなど)は皮膚に対する刺激が少なく、使用後も長く抗菌作用を持続します。このため、手術時の手洗い、手術部位の皮膚、傷口の消毒などに使われます。また歯磨き剤にも、クキロルヘキシジン塩酸塩が使用されています.

ただし一般細菌と一部の真菌には有効ですが、結核菌、多くのウイルス、芽胞などには効果がありません。

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