乳酸菌飲料

ヨーグルト
今から5千年も昔のこと、砂漠を行き来するアラビア人が何日も経ったミルクを飲もうとしたところ、水筒の中が透明な液と白い固まりになっていました。

試しに舐めてみると、酸味のある旨さがありました。乳糖が発酵してできる酸味の強い液で、乳酸と呼ばれるようになりました。これが発酵食品の起源です。

糖分を発酵して乳酸をつくる菌を乳酸菌と呼びますが、実は乳酸菌とは一種類でなく200種類もの菌の総称なのです。

100年ほど前、乳酸菌の一つビフィズス菌が発見され、乳酸菌が健康や老化に密接な関係があると考えられるようになりました。

ヒトの腸内には100種以上の細菌が共生していて、その数は100兆個にもなります。このうち、健康維持によいものを善玉菌(ビフィズス菌、乳酸桿菌など)、害を及ぼすものを悪玉菌(ウェルシュ菌、クロストリディウムなど)と呼んでいます。

善玉菌と悪玉菌

病気になったり老化が進むと、善玉菌が激減し悪玉菌が急増します。幼児ではビフィズス菌は95%もありますが、高齢になると15~20%に減ってしまいます。

乳酸菌が善玉菌といわれる所以は、生成する乳酸や酢酸によって腸内を酸性にして悪玉菌の繁殖を防ぎ、腸内細菌のバランスを保ちながら消化吸収を助け、便通の改善に加えて免疫力を高め・ビタミンの合成・発ガンの抑制などの効用があるからです。

ところが生きた乳酸菌やビフィズス菌を摂取しても、大半が胃液や胆汁により死滅し、たとえ腸までたどりついたにしても、その菌が腸内に棲みつくのは難しいのです。

そこで生きたまま大腸に届く乳酸菌や、免疫を高める乳酸菌がつぎつぎに開発されてきました。

悪玉菌が増えるとタンパク質を分解してアンモニアや硫化水素が発生し、便通異常はもちろん、その毒素が腸壁から吸収されて吹き出物や肌荒れをおこしたり、肝臓や腎臓に負担をかけ、さらにはニトロソアミンなどの発ガン物質が発生する危険があります。便やオナラが臭い時は、悪玉菌が増えていることが予測されます。

腸内環境を整えよう

善玉菌を増やすには、善玉菌の栄養となるオリゴ糖(きなこ・ごぼう、バナナ、タマネギ)や食物繊維をよく摂ること、乳酸菌飲料(ヤクルトやヨーグルト)を摂ることが勧められます。

こうして乳酸を産生することで悪玉菌を死滅させ、腸内を弱酸性にして悪玉菌の発酵生成物を抑え、善玉菌を繁殖し易くします。

乳酸菌飲料とは牛の乳(多くは脱脂乳)を乳酸菌や酵母で発酵させたものです。

脂肪を除く乳成分が3%未満と、味の薄い乳酸菌飲料にはカルピスなどがあります。生きた乳酸菌は100万個/ml以上です。

脂肪を除く乳成分が3~8%で、乳酸菌も1,000万個/ml以上の乳酸菌飲料はヤクルトなどが該当し、8%以上になるとヨーグルトが該当します。

ただし同じヨーグルトでも、飲むヨーグルトは糖分や果汁を加えているため、食べるヨーグルトに比べカロリーが高いので注意が必要です。

今や乳酸菌は食品工業の分野で乳酸菌飲料・チーズ・バターのほか、食品添加物としても幅広く用いられています。

とりわけ、合成酒の配合剤、清涼飲料水、ゼリー、アイスクリームなどの酸味剤、清酒醸造用として雑菌の生育防止などに頻用されています。