よい脂肪と悪い脂肪

バター
長年、よい脂肪とは魚や植物の不飽和脂肪酸、悪い脂肪は牛豚など動物性の飽和脂肪酸と信じられてきましたが、近年、必ずしもそうではないことが分かってきました。

よい脂肪の代表格は、不飽和脂肪酸のなかのα-リノレン酸です。

α-リノレン酸の豊富な海藻を食べて育ったさば・いわし・さんま・あじ・ぶり・まぐろ・さけや、菜種油・シソ油・亜麻仁油、エゴマ油などの種油に多く含まれています。

α-リノレン酸からはDHA(ドコサヘキサエン酸)EPA(エイコサペンタエン酸)が合成されます。

DHAは脳細胞や視神経を活性化して脳の老化や視力低下を防ぐほか、アレルギーを予防し、ガンを抑制する効果を示します。

またEPAは血栓が発生するのを防ぎ、中性脂肪や悪玉コレステロールの生成を抑え動脈硬化を予防します。

よい脂肪のはずが、評価の逆転

ところがよい脂肪と信じられてきた不飽和脂肪酸のうち「リノール酸」は、評価が全く変わってしまいました。

本来、リノール酸はコレステロールを減らし、心臓病の予防に有用な脂肪なのです。

しかし、からだによいという理由で盛んに摂られた結果、現在日本人の多くは必要量の10倍ものリノール酸を摂る事態になってしまいました。

ところがリノール酸は摂りすぎると、酸化されやすいため過酸化脂質となってガンを発生させ、アレルギーをおこしやすく、血栓をつくって脳梗塞や心筋梗塞を誘発することが分かってきました。

このため、今やリノール酸は避けるべき脂肪になってしまったのです。

リノール酸の含有量が多いもの代表は、ひまわり油、綿実油、紅花油、トウモロコシ油、大豆油などで、マヨネーズ、ドレッシング、マーガリン、フライ、スナック菓子などに頻用されています。

悪い脂肪代表、飽和脂肪酸

悪い脂肪の代表は豚牛など動物性の飽和脂肪酸です。

飽和脂肪酸は乳製品、肉の脂身、加工食品に多く含まれています。動物性食品に多い傾向がありますが、ココナッツ油とパーム油のような植物性食品の中にも含まれています。

かつてノルウェーでは第二次世界大戦中、マーガリンのかわりに魚を食べるようになり心臓病の患者が激減しました。このため、植物油は健康によいという神話は崩れてしまいました。

飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし(善玉コレステロールには影響しない)、高血圧、動脈硬化、心筋梗塞をひきおこします。

乳製品を低脂肪乳とし、肉を摂っても脂身を避け赤身の部分を摂るようにしてください。

また、新鮮な野菜や果物を摂り、ハム、ソーセージなどの加工食品を避ければ、飽和脂肪酸の摂取を減らすことができます。

さらに有害、トランス脂肪酸

飽和脂肪酸よりもさらに有害といわれるのがトランス脂肪酸(トランス型の二重結合を有する脂肪酸)です。

もともとは体に悪い飽和脂肪酸の代替品として造られましたが、そのうち悪玉コレステロールを増やすことが分かってきました。

トランス脂肪酸は、天然の植物油にはほとんど含まれず、水素を付加して硬化した部分硬化油を製造する過程で発生するため、それを原料とするマーガリン(油脂含有率が80%以上)、ファットスプレッド(油脂含有率が80%未満)、ショートニング(焼き菓子やパンにつかわれる練りこみ専用の固形油脂)などに含まれます。

トランス脂肪酸は摂りすぎると悪玉コレステロールが増加する一方、善玉コレステロールが減少し、心筋梗塞などのリスクが高くなります。このため、2003年以降、トランス脂肪酸を含む製品の使用を規制する国が増えています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする