乳酸 

筋肉
ブドウ糖は世の中で最も多い有機化合物といわれ、エネルギー源の代表でもあります。また実に多くの化合物の原料にもなっています。

そのブドウ糖を化学反応させたエネルギーで生きている細菌は無数にありますが、なかでも乳酸菌は最も有名で、ブドウ糖(C6H12O6)を2分子の乳酸(C3H6O3)に分解する働きがあります。

乳酸菌は空気中のどこにでも存在し、ひとの皮膚にもくっついています。

この菌が他の追随を許さない地位を築いたのは、ブドウ糖を分解してできた乳酸で、自分の周りを酸性に変えて他の菌を撃退し、自分たちだけが安全に繁殖できる環境づくりに成功したからです。

これを乳酸発酵と呼び、その発酵食品はチーズ、ヨーグルト、糠漬け、キムチなど多種類に及びますが、いずれも爽やかな酸味を加えるばかりか、腐敗から守ってくれるため、保存用食品として貴重な存在といえます。

人類の友、乳酸菌

これは私たちの体の中にもいえることで、乳酸菌を摂取すると大腸のなかで乳酸を発生し、それが周りにいるウェルシュ菌などの悪玉菌を駆逐してくれるため、からだの腐敗を防いでくれているともいえます。人類の友ともいえる存在でしょう。

ところで、乳酸は乳酸菌だけで造られるのではありません。

私たちが運動すると筋肉内にも大量に発生します。すなわち激しい運動をすると一時的に乳酸が筋肉に溜まります。乳酸は消費するのに時間がかかるため、しばらく筋肉内に残るのです。

このため、疲労物質という汚名を着せられていましたが、最近の研究では逆に、運動で糖が消費された時に、これを補うのに乳酸が用いられているらしいと考えられるようになってきました。むしろ疲労回復物質というわけです。

カーボンニュートラル

また最近、乳酸を連結したポリ乳酸という耐熱性の高いプラスチックがつくられ、携帯電話や自動車部品などへの実用化に向け研究が進んでいます。

このポリ乳酸は使用後土に埋めれば、微生物によって二酸化炭素に分解され大気中に放出されますが、植物はその放出されただけの二酸化炭素はすべて吸収してデンプンを合成するため、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を増やす心配がありません。

こうした考えはカーボンニュートラルといわれ、環境問題を考えるうえで、世の衆目を集めています。

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