ヒトゲノム計画

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ゲノム(genome)とはgene(遺伝子)とome(集合)を組み合わせた言葉で、生物のもつ「すべての遺伝情報」という意味です。

その実体は生物の細胞内にあるDNAであり、遺伝子の情報や遺伝子の発現を制御する情報などが含まれています。からだを構成するタンパク質は、この遺伝子の情報をもとに転写・翻訳という過程を経てつくられています。

したがって、ゲノムは「生命の設計図」ということができます。

その設計図のすべてを明らかにしようとする計画が、ヒトゲノム計画であり、1990年、アメリカを中心に我が国を含む6カ国が共同参加し開始されました。ヒトのDNAは30億対の塩基同士が結合した二重らせん構造を形作っています。

オーダーメイドな遺伝子治療

2003年、このプロジェクトは人のゲノム情報の読み取り終了を宣言し、以後各国ではその遺伝子情報をもとに様々な研究が進むようになりました。

とくにアメリカでは既に多くの遺伝子特許がとられていますが、日本ではいまだに遺伝子の特許が認められていないのです。また遺伝子関連企業の数も、アメリカのわずか1%しかない状況です。そのため、このままでは将来、遺伝子治療や遺伝子薬品の使用に莫大な特許料を払わないといけなくなるのではと危惧されています。

そもそもこの計画は、遺伝子治療を推進するのが大きな目的です。具体的には、人体に害のないベクターウィルスを用いて、異常を持つ遺伝子を正常な遺伝子と入れ替えることで、病気を治そうという治療法です。現在、ガンやアルツハイマー病などを対象に研究がすすめられています。

さらに、ヒトゲノムの中でその人特有の塩基配列を解析すれば、その人がどんな病気になりやすいか、どんな薬が有効かなどを調べることができ、オーダーメイド治療が可能になるものと期待されています。

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