DTC遺伝学的検査は受けるべきか?

遺伝
動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病になるかどうかを調べるというDTC遺伝学的検査が注目を浴びています。

DTCとはDirect-to-consumerの略で、消費者がインターネットや通販で申し込み、医療機関を介さずに直接結果を知ることができるという検査法です。加えて採血によらなくても、毛髪・爪・頬粘膜等の採取で検査可能という手軽さも人気の原因となっています。

その背景には、ヒトゲノム解析の進歩により,その人の遺伝子に基づいて最適な医療を提供するオーダーメイド医療の実施が現実味を帯びてきている状況があります。

DTC遺伝学的検査を推進しようとする人たちは、本人が自分の健康状態を把握でき、生活習慣病のなりやすさを知ることで、今後健康に留意して健全な生活を送るのに役立つと主張しています。

しかし現行の方法には様々な欠点も指摘されています。

DTCの問題点

第1に、個人にとっては重大な情報になりかねない検査法が、公的機関でなく、私的企業によって行われているという不安があります。

つまり検査の内容を論議する前に、検査の結果をどこまで信用できるかという心配があり、さらに個人遺伝情報が適切に保護されているかどうかも不明です。

しかしその不安をよそに、企業の過大広告はエスカレートする傾向にあり、もはや対象は生活習慣病だけにとどまらず、知能・技能(音楽・美術・運動)・性格さらにはDNA鑑定まで手を出してきている状況です。

これに対し、日本医学会や日本人類遺伝学会は、遺伝医学の知識に乏しい一般市民が、検査の科学的根拠を理解し検査結果を正確に解釈するのは極めて難しいこと。

また、現行の検査内容では、ある病気を発病するかどうかまでは言えず、発病のリスクについての確率を示す程度であること。また知能・技能・性格に関する検査の有用性については検証ができておらず、科学的に証明されているものは極めて少ないこと。

さらに安易なDNA鑑定は、人工妊娠中絶など重大な社会問題をひきおこす危険があると、警鐘を鳴らしています。

そして学会としては、DTC遺伝学的検査は臨床遺伝専門医が担当すべきであり、遺伝学的検査のガイドラインを設けること、公的機関が管理、監督すべきであると主張しています。

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