抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」の評価

intorow / Pixabay

抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」の登場

今年は近年稀なほどに、インフルエンザの大流行がみられていますが、そのほとんどがA型インフルエンザウイルスによるものです。

2018年3月登場した抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」は、治療効果が出るのに3日を要する「タミフル」、「イナビル」、「リレンザ」にくらべ、わずか1日で効き目が出るという情報から、わずか1年で、市場の半分以上を席捲するに至っています。

細胞内で増殖したインフルエンザウイルスが、細胞の外へ拡散していくのを阻止するのが
「タミフル」、「イナビル」、「リレンザ」でしたが、インフルエンザウイルスを、細胞内で増殖させまいとするのが「ゾフルーザ」です。このため、効果出現までの時間を短かくできるというのです。

「ゾフルーザ」の弱点

しかし、「ゾフルーザ」の弱点として、他の3剤にくらべ、はるかに耐性ウイルスの出来やすいという欠点があります。今猛威を振るっているA型インフルエンザウイルスに対して、成人で10人にひとり、12歳以下で5人にひとりに耐性ウイルスが発生しているのです。

これはゆゆしき問題で、みんなが「ゾフルーザ」を服用すると、他の3剤にくらべ、耐性ウイルスがはびこりやすく、「ゾフルーザ」の利用価値はなくなります。ただ、その耐性ウイルスがどの程度、ひとへ感染するかは分かりませんが・・。

したがって、予防のためだけに「ゾフルーザ」を服用するのは、お勧めできませんし、国の承認も得られていません。

予防的投与について

現在、日本感染症学会がもっとも危惧しているのは、高齢者施設および高齢者をかかえる病院におけるインフルエンザの蔓延です。そこで、入居者や患者ばかりでなく、職員全員に対して徹底した消毒、うがいの励行とともに、「タミフル」、「イナビル」、「リレンザ」いずれかひとつの予防投与を勧めています。

またインフルエンザ患者家族のなかで、心臓、腎臓、肝臓、糖尿病を患っているかた、さらには、予防接種を受けていない受験生なども、予防投与の対象になると思われます。

当然ですが、これらはいずれも保険診療外の扱いとなります。

抗ウイルス剤の選択にあたって

実際インフルエンザに罹った場合、抗ウイルス剤を服用すべきかどうか、あるいはどの抗ウイルス剤を選択すべきかは、医師の指示に従ってください。年齢、アレルギー体質の有無、心臓、腎臓、肝臓などの状態によって、治療法が異なると思われるからです。

また、妊娠している場合には、胎児に対する安全性が確立されていないため、医師と相談して飲むべきかどうかを決めてください。あくまでケースバイケースなのです。
さらに授乳中の場合には、抗ウイルス剤を服用する期間中は、授乳を避けるべきです。

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