ヒヤリ・ハット

病院
医療事故や交通事故、火災事故など、ちょっとした不注意で事故をおこしそうになり、ヒヤリとした、ハッとしたという経験を「ヒヤリ・ハット」と呼びます。

医療に関しては、英語で「Medical incident」と言い、マスコミでは時に「医療ミス」と表現されますが、実際に被害が出ているわけではないので、この表記は正確ではありません。

私たちの多くはヒヤリ・ハットを経験しても、実際には事故に至らなかったため、「ああよかった」と、直ぐに忘れてしまう傾向があります。

しかし「ハインリッヒの法則」によれば、重大事故の陰には29倍の軽い事故と、300倍のニアミスが存在するといわれています。

このため「インシデントレポート制度」といって、業務遂行上でヒヤリやハットした経験を逐次報告し、これを分析して再発を防ぐ方法を考え、重大事故を避けようとする活動が盛んになってきました。

医療の現場でも、2001年厚生労働省が「リスクマネージメント作成指針」を発表し、ヒヤリ・ハット事例収集事業をスタートしました。

それによれば、現在最も発生件数が多いのは薬剤に関する事例で、次いで療養上の世話に関する事例、チューブやドレーンに関する事例となっています。

具体的にはつぎのような事例が多くみられます。

  1. 間違った内服薬を患者に渡したが、患者がいつもの薬と違うことに気づき、服用を中止した。
  2. 注射薬を誤って別の患者に打とうとして、患者の指摘であわててやめた。
  3. 血液検査の結果を別の患者のカルテに貼付したため、説明時、医師が気付いて事なきを得た。(なかには、血液型検査の結果を誤って報告し、輸血前の確認でかろうじて事故を防げたというのもある。)
  4. 同姓の患者に対し、フルネームを確認しなかったため、検査や投薬を間違いそうになったが、患者の指摘で誤りに気付いてやめた。
  5. インスリンを打とうとして計算間違いに気づき、あわてて減量した。

いずれも、ちょっとした不注意から起こっています。その都度、報告、分析、反省をして重大事故に至らぬよう、注意が喚起されています。

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