ピグマリオン効果(教師期待効果)


教師(上司)が生徒(部下)に対して、成績(業績)が上がる期待を示すと、生徒(部下)はその期待に応えようと頑張り、着実に成果を挙げることが多い。

心理学者ロバート・ローゼンタールによれば、「人は期待された通りの成果を出す傾向がある」というのです。

これを「教師期待効果」あるいは「ピグマリオン効果」といいます。

ギリシャ神話のなかで、ピュグマリオン王が自分で造った女性の彫像に恋焦がれたのを見て、神が期待に応え、その彫像を人間に変えたという伝説から、ピグマリオン効果と命名されました。

1963年、ローゼンタールらは、 学生たちにネズミの迷路実験をさせました。このとき、ネズミを適当に2つのグループに分け、「訓練された賢いネズミ」と「未訓練ののろまなネズミ」と言って実験させたところ、結果に明白な差がでたというのです。

いわゆる賢いネズミを渡された学生たちは、ネズミを丁寧に扱い、のろまネズミを渡された学生たちはぞんざいに扱ったため、ローゼンタールは期待度の違いが実験結果に反映されたと考えました。

そこで、ローゼンタールらは、同じことが教師と学生の間でも起こりうると考え、小学校で実験をおこないました。

学級担任には、 「今後、数ヶ月の間に成績が伸びてくる児童を割り出すための検査」と説明したうえで、まったく無作為に選んだ児童の名簿を渡しました。そして担任に、この子たちが今後成績が伸びそうな児童であると暗示して指導させたところ、確かにその子たちの成績が向上したというのです。

また、ある教育現場での実験で、優秀な生徒達のクラスと成績の悪い生徒達のクラスをわざと逆にして、各担任の教師に告知したところ、優秀な生徒達の成績は下がり、成績の悪い生徒達は成績がよくなったというのです。

生徒たちは教師から自分に対する期待を敏感に感じ、それなりの成果を出したということです。子供たちへの信頼が如何に大事かを示唆しているように思われます。

以上の結果から、「人は期待されたように成果を出そうとする」という理論(ピグマリオン効果)が提言されたのです。

そしてこれらの結果は、現状に悲観せず、理想に向かって努力し続ければ、きっといい結果がもたらされるという明るい提言になります。

 いかに褒めるかが大切

しかし現実には、実力のないものに向かって過剰な期待を示すと、かえってダメになることも少なくありません。無気力になったり、実力の伴わないナルシストになってしまう危険性があるのです。また教師から期待されない生徒たちは、早々と諦めてしまい、本来伸びるはずの可能性の芽を摘んでしまいかねません。

このため、教育経済学者の中室牧子氏は、生徒たちにやる気をおこさせるためには、いかに褒めるかが重要であると警鐘を鳴らしています。

 自己暗示にかける

また、スポーツ選手が目標を達成するために、自分はやれると公言して自らを奮い立たせることがしばしばあります。自己暗示にかけることで、いい結果を出そうという狙いです。

これなども、ピグマリオン効果を拡大解釈したものといえそうです。

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