虚血性大腸炎とは

虚血性大腸炎は、前触れなく突然下腹部の激痛がおこり、それに続いて鮮紅色の血液が混じった下痢が出現します。

しばしば気を失うほどの激痛ですが、通常は数日間で治まってきます。

大腸に栄養を送る血管が一時的に詰まることによって、その部位から出血し、びらんや潰瘍をつくる病気です。

その発生機序は、心臓の血管が一時的に詰まることによって発病する狭心症とよく似ています。

動脈硬化のつよい高齢者に多いといわれてきましたが、高血圧や糖尿病、膠原病など血管が痛みやすいかた、また若くても便秘のひどいかた、ストレスの多いかたにもしばしば発病することが分かってきました。

診断は早急に大腸内視鏡検査をおこない、S状結腸や下行結腸の粘膜が赤く腫れ上がり、栄養血管に沿って縦長の潰瘍を確認すれば確定します。

また、最も病変のつよいところは腸管の全周が潰瘍になり狭窄状態になっていることも珍しくありません。

この病気は下行結腸を中心として左側の大腸におこりやすく、潰瘍のため多少とも大腸は狭窄状になりますが、安静にして食事制限をしながら栄養管理に努めれば、1~2週間でほぼ治癒します。

しかし、血管の詰まり具合がひどい場合には、潰瘍が数ヶ月間治らないことや、潰瘍は治っても大腸が狭窄したまま残ったり、稀には腸が壊死に陥り、緊急手術になる場合があります。

喫煙は潰瘍の治療にもっとも妨げとなりますので、禁煙に心がけてください。