なぜ慢性膵炎になるか?

慢性膵炎は増えているか?

慢性膵炎で病院を受診する患者さんは年間7万人と、急増している状況にあります。性別では男性が女性の5倍近くを占めています。

原因としては、アルコールが男性の8割、女性の3割を占めています。アルコールに加え喫煙すると、さらに発病しやすいことも分かっています。

そのほかには、胆石、膵管の奇形、高脂血症、胃十二指腸潰瘍、肝炎などが引き金になっていると考えられています。

原因不明の膵炎

一方で、原因のよく分からないものは、男性の15%、女性の55%にのぼります。

原因不明の膵炎のなかには、トリプシン(蛋白質を溶かす酵素)の活性化にかかわる遺伝子に異常がおこり、過剰にトリプシンが分泌されて膵炎を引き起こしたり、トリプシンが膵臓を傷つけぬよう保護している防波堤が、決壊しているのではないかと、推測されています。

慢性膵炎には、急性膵炎を繰り返して治りきらずに慢性になる場合と、あまり症状がないまま、徐々に進行して、いつの間にか慢性の膵炎になっている場合があるようです。

慢性膵炎の症状

全体的には約80%のかたに、みぞおちの痛みと背中に抜ける痛みがみられます。脂っこい料理やアルコールを飲んで数時間後におこるのが特徴です。

慢性膵炎では膵臓の組織が破壊されるため、腹痛がおこりますが、進行すると徐々に線維に置き換わるため、かえって腹痛が出なくなる特徴があります。

膵臓からは、炭水化物を分解するアミラーゼや、蛋白質を分解するトリプシン、キモトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素が分泌されています。慢性膵炎ではこれらの酵素が十分に分泌できないため消化不良となり、下痢傾向が強くなって体重が減ってきます。

また、ホルモンの分泌も悪くなるため、インスリンが十分出なくなり、糖尿病をおこしてくることが少なくありません。

もっとも懸念されることは、膵臓癌、胆のう、胆管癌を発生する危険が、一般の人より5~7倍も高いということです。飲みすぎに注意し、定期検査を欠かさないようにしてください。