糖尿病の薬物療法

インスリン食事療法と運動療法だけではコントロールできない場合に薬物療法を用いることになります。

主な薬物療法は、血糖を下げるための血糖降下薬という飲み薬とインスリン注射です。

糖尿病の薬物療法には大きく分けて、経口剤とインスリン注射があります。

経口剤は大きく分けると、スルフォニル尿素剤(SU剤)、ビグアナイド剤(BG剤)、α- グルコシダーゼ阻害剤、速効型インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤の5タイプがあります。

1)スルフォニル尿素薬 (SU剤)

現在もっとも使用頻度の高い経口血糖降下薬です。

基本的には、膵臓ランゲルハンス島からのインスリンの分泌を増加させることで血糖を低下させます(インスリン分泌刺激薬)。

過剰に投与するとインスリンの過剰分泌を招き 低血糖を来すことがあり、注意が必要です。

また、インスリン増加による血糖の低下のため食欲が亢進し体重が増加する場合もあり、食事・運動療法の厳守が重要です。

グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリド、トルブタミドなどがよく使用されます。

2)ビグアナイド薬

肝臓からのブドウ糖の放出を妨げ、また、筋肉などへのブドウ糖の取り込みを促進させるなどして、血糖を低下させる薬です。

食欲も少し低下する場合があり、肥満した糖尿病患者さんに使われます。

単独では通常 低血糖を起こすことはありません。

SU剤と併用することも可能です。

肝臓や腎臓が悪い方、心疾患、呼吸器疾患の患者さんでは、乳酸アシドーシスという副作用が出やすいので注意が必要です。

メトホルミンがよく使われます。

3)インスリン作用増強薬(インスリン抵抗性改善薬)

膵臓からインスリンは十分分泌されているのに、インスリンに対する反応が鈍いため血糖が下がらない(インスリン抵抗性)ことがあります。

この薬は、インスリンの抵抗性を少なくすることでインスリンの作用を高め、血糖値を下げます。

インスリン抵抗性があるかたの多くはウエストサイズが大きすぎる)上体肥満、内臓脂肪が多い方です。

血中インスリンが減っていないのに血糖が高い場合は、インスリン抵抗性が原因であると推測されます。

(商品名 アクトス)

4)αグルコシダーゼ阻害薬

小腸で多糖類(でんぷん、ショ糖など)の消化吸収を遅らせるため、食事した後も血糖の上昇がゆっくりとなります。

ただ副作用として、腸のガスが増えておなかが張りやすくなります。

またSU剤と併用した場合には低血糖がおきることがあります。

この場合は砂糖でなく単糖類であるブドウ糖を摂取する必要があります。

5)速効型インスリン分泌促進薬

食事の直前に服用し、短い時間の間だけ膵臓に作用してインスリン分泌を促進させる薬です。

基本的にはSU剤と同様の作用を持っていますが、作用の持続時間が短いため、SU剤に比しやや血糖低下作用が弱く、したがって、副作用としての低血糖も少ないと考えられています。

ナテグリニドなどが使用されています。

最近では、これらの薬を組み合わせたり、あるいはインスリン注射と組み合わせたりして使用することもあります。

インスリン

1型糖尿病ではもちろん、2型糖尿病で食事・運動・経口薬でコントロールが得られない場合、妊娠糖尿病、重症感染症を合併した場合、手術時、重症腎障害や重症肝障害を合併した場合、糖尿病性昏睡の時などに使用されます。

2型糖尿病で飲み薬が効かずインスリン療法に切り替えた場合、しばらくインスリン注射で血糖コントロールが良好に保たれると、再度飲み薬が効くようになることもあります。

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