新型コロナ第2波に、どう立ち向かうか?

 東京の新宿区ではPCR検査が増え続け、7月に入ってからは1日120件以上に達しているそうです。その結果、問題の新型コロナ陽性率は、4月から5月にかけては5%前後だったのが、6月は18%、7月には30%を超えているそうです。

つまり7月に入ってからは、検査をうけた3人に1人が新型コロナウイルスに感染しているというのです。しかしPCR検査の数が増えたからといって、必ずしも陽性率が上がることにはなりません。むしろこれは、市中感染がいかに速く広がっているかを如実に物語っています。

6月のデータをみると、2030代の若者に多いことが分かりますが、職業別では、ホストクラブやキャバクラなどの「飲食業」が31%、「無職・フリーターな」が24%と多数を占めています。「学生」「会社員」は4%と少数だったようです。

 

ところが、若い彼らにはほとんど症状がなく、多くは重症化せずに治ってしまうため、「コロナ恐れるに足らず」という気分が蔓延しているそうです。

さらに、若者の間には生活困窮のおりから、感染して2週間、無料でホテル暮らし出来るうえ10万円頂けるなら、むしろ感染したいと希望するものまで現れていると聞きます。

そんな意識ですから、収容されたにもかかわらず、ホテルを抜け出し、ホストクラブで働いていたなどという事例も出てくるのです。

 東京の危機的状況

現在東京都では、新型コロナ感染が判明したのに入院も自宅療養もしていない(なかには本人と連絡が取れなくなっている)ケースが400件ちかくあるといいますし、さらに感染経路不明とされるひとが40%を超えています。

これは容易に看過できないデータで、都がこの解明に全精力を傾注しなければ、全国に感染が拡散するのを止められないのではと危惧します。

 

ニュース報道を見ていると、新たな感染者数に一喜一憂する報道が多いのですが、為政者がいかに感染拡大に取り組んでいるのか、その結果どうだったかといった情報が、われわれ視聴者に伝わってきません。

小池氏は知事選にあたり、情報公開を「東京大改革の1丁目1番地」と公約に掲げていたのは記憶に新しいところです。

 

治療薬のない今、感染源を押さえて拡散を防ぐには、日々情報公開に努めて有識者の声に耳を傾け、大掛かりな包囲網(例えば職種を絞った保証付きの休業要請など)を張り巡らせる必要があるのではと痛感します。 

緊急事態宣言解除のあと、国が「ウイズコロナ」と言い始めたときから、どうも新型コロナを完全封鎖しようとする意気込みが、しぼんでしまったかのようです。

 

これに対し医学界では、児玉龍彦・東京大名誉教授等が、都内(とくに新宿区)には感染者が集中している「エピセンター」(中心地、震源地)ができており、一刻も早く制圧しないと手が付けられなくなると警鐘を鳴らしています。

とりあえず、新宿区民全員にPCRを実施して、エピセンターを封鎖する覚悟で取り組まなければ、ニューヨークの二の舞になるのではというのです。

政治家の覚悟が問われる事態ではないかと、痛切に感じています。

 コロナ対策に翻弄される医療現場

どのひとが新型コロナに感染しているか、見当がつかないというのが、このウイルスの厄介なところです。

人を相手に仕事している多くの人々にとって、目の前のひとが白か黒か分からないのでは、安心して仕事に取り組めません。

 

われわれ市中の診療所でも、この問題に頭を悩ませているのです。もし感染者が受診されると、他の患者さんに移してしまう危険があるからです。

一般患者さんを守るためには、感染の疑いがある患者さんを院内に入れるわけにはいきません。このため、院外で診療にあたったり、電話相談に応じたりと、苦肉の策を採らざるを得ないのが各医療機関の現状です。

 

つまるところ、市中の医療崩壊を防ぐためには、各市町村にコロナ感染の疑われる患者さんを専門にみる診療部門(新型コロナ外来)を創設することが肝要と思われます。新型コロナ発生当初からこの警鐘は鳴らされていたにもかかわらず、残念ながらその実施は遅々として進んでいません。

 

国民の多くが安心して仕事ができるため、我が国もドイツのように、国民全員にPCR検査を促すシステムをつくってほしいと願うばかりです。

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