ヨーグルトの効用

牛乳に乳酸菌を加えて発酵させる(乳酸発酵)と、乳酸が発生します。乳酸は酸性ですから、牛乳は酸性に傾き、pH4.6あたりから乳のなかのカゼイン(蛋白質)が固まり、ヨーグルトが出来上がります。出来上がったヨーグルトのなかでも、乳酸菌はしっかり生きています。

ヨーグルトは、基本的に乳酸桿菌のブルガリア菌と乳酸球菌のサーモフィラス菌の2種類の乳酸菌を用いてつくられます。これらの乳酸菌は互いにとても相性がよく、それぞれの菌単独で発酵させる場合より、はるかに短い時間で発酵が進むといわれています。

腸内がアルカリ性になると、悪玉菌が繁殖しますが、乳酸菌のおかげで腸内は酸性に保たれ、ブドウ球菌や一部の大腸菌など、悪玉菌の増殖は抑えられているのです。

こうして乳酸菌は消化吸収を助けながら便通を改善し、免疫力を高めたり、コレステロールの低下ビタミンB群の合成癌の発生を抑える働きをしています。

ヨーグルトの主な栄養素は、炭水化物、蛋白質、脂質の3大栄養素に加え、「カルシウム」と「ビタミンB2」が特筆されます。

カルシウムは骨を丈夫にし、筋肉、神経、ホルモンの働きを調節し、精神を落ち着かせる効果があります。またビタミンB2は美容のビタミンと呼ばれ、皮膚や髪の細胞の再生、保護に重要な働きをします。

死んだあとも働く乳酸菌

ところで乳酸菌とは、乳酸をつくりだす400種類に及ぶ細菌の総称です。その一部はすでに腸のなかに棲んでいますが、口から摂取したヨーグルトの乳酸菌は、残念ながら胃液や胆汁酸(小腸内)で死滅し、生きて大腸の中に定着することはほとんどありません。

しかしヨーグルト中の乳酸菌は、たとえ胃や小腸で死滅しても、乳酸菌の菌体成分や代謝物が悪玉菌を減少させ、大腸に棲んでいる乳酸菌を増殖させて、腸管免疫を活性化させるといわれています。

我が国のヨーグルト

我が国では、大正3年、広島市のチチヤス乳業がヨーグルトを販売したのが最初です。

現在、数十種類のヨーグルトが市販されており、ここではその主なものを紹介しましょう。

■明治ブルガリアヨーグルト(LB21、 LG21、 R1乳酸菌株)

便秘改善と肌荒れに効果的で、皮膚の乾燥にも効果があります。なお、LG21はガセリ菌株の番号で、ピロリ菌の活動を抑える働きを、R1はブルガリア菌株の番号で、免疫力の増強に効果があるといいます。

■雪印ナチュレ(ガセリ菌SP株/ビフィズス菌SP株)

内臓脂肪を減らす効果がありダイエットに適しているとされます。ガセリ菌SP株は日本人由来の菌で、日本人の腸に馴染みやすいといわれています。

■森永ビヒダス(ビフィズス菌BB536)

便秘、下痢に効果があり、免疫力の強化や花粉症に効果が期待されます。

■フジッコ カスピ海ヨーグルト (クレモリス菌FC株)

免疫力の強化、便秘の改善に効果があり、コレステロール、中性脂肪の改善が期待されます。

■ヤクルト ソフール   (ラクトバチルス ガゼイ シロタ株)

胃液や胆汁中でもほとんど死滅せず、主に小腸で働くといわれます。花粉症の改善が期待されています。

■四国乳業  8020ヨーグルト (ラクトバチルス ラムノーザス L8020株)

虫歯、歯周病菌を減らす効果が期待されます。

チーズ、バターとヨーグルト

ところで、チーズとヨーグルトはともに、牛乳を素材として乳酸菌による発酵をおこないますが、チーズでは発酵の途中に、レンネット(キモシンという蛋白分解酵素が主成分)を加えて凝固させ、さらに水分を抜き固形にして完成となります。

また、バターは牛乳中の蛋白質を取り去り、残った脂肪部分である乳脂肪(生クリーム)を凝縮して固めたものです。したがってバターは、チーズやヨーグルトのように蛋白質を含まないという特徴があります。

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