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日本人気質

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無常観から無常感へ

若いころ、長年修業を積んだという僧から、この世の根源には無常観が存在すると聞かされ、妙に納得した思い出がある。 その昔、釈迦は悟りを開いたとき、仏教を特徴づける四つの真理を明らかにした。 諸行無常、諸法無我、涅槃...
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心がなごむ「ゆらぎ」

数万匹ものイワシやサバの大群が、ひと固まりになってサメのそばを移動している動画を見ることがある。あたかも巨大魚かと思わせることで、相手をひるませようと指示を出す賢い魚がいるとしか思えない統率ぶりだ。人の世界では誰かが提案し、...
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腹芸(はらげい)

腹とは本心の宿るところ もともと腹は張り出したところ、膨らんだところという意があり、そこは胸の内よりさらに深いところで、本人が人に見せない心の内、本心が宿っているところと考えられた。 そこから、「腹積もり」や「腹案」という言葉が...
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神をとるか仏をとるか

もともと我が国の神は自然崇拝から発したもので、八百万の神々が山川草木至る所、家のなかにもおられるという。 古代人は神のおはしますところを掃き清めて祈りを捧げ、感謝や心の救済を願っていたとおもわれる。 ところが7世紀にいた...
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職人気質(かたぎ)

身を労すること 士農工商は紀元前から中国にあったが、江戸幕府が身分制を固定するのに好都合と考え、採用した。ただし本来、士は心を労する士大夫のはずだったが、徳川氏はこれを武士に置き換えた。 儒教では士大夫は理想的な階級で、民衆のた...
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かぶきもの(傾奇者、歌舞伎者)

傾奇者(かぶきもの)の登場 傾く(かぶく)とは、正道から外れている状態をいい、傾く(かぶく)者とは、まともな恰好をしていない者、道を外れた者の意で、世間ではかぶきもの(傾奇者、歌舞伎者)と呼んで、胡散臭い連中という目でみている。 ...
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自粛の文化

忌中の自粛 昨年、身内に不幸があったが、90を過ぎた大往生のため、親戚一同、ひとりとして嘆くものがない。 ところが、忌中の間は、家の中にこもって故人のために祈り、死の穢れが他の人に移らないよう、人に会うのを控えよという。さらに宴...
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弥勒菩薩半跏思惟像

広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像が国宝第1号に認定されたというだけで、当時からこの像がいかに魅力的な存在であったかが分かる。 仏像にしては珍しく、座位で右足先を左大腿に乗せ、右膝頭に右肘をついて物思いにふける半跏思惟像である。どちらかと...
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般若心経を唱える人々

釈迦が説いたもの その昔、釈迦は、人生は思いのままにならないことばかりであるとの結論に達し、この世は「一切皆苦」であると嘆息した。そしてその苦しみの根源は無明(煩悩)にあり、そのせいで12の不幸が連鎖的におこり、最後に老死という苦悩を...
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後の先(ごのせん)  

積極的防衛 後の先は剣術の護身に重きをおく戦術として発生した。 馬庭念流(まにわねんりゅう)という武術がある。 かつて戦国時代、上州の馬庭村(現群馬県高崎市馬庭)に住む兵法家、樋口定次が庶民の護身術として作り上げたもので、...
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ぬるま湯農耕民族

農業国家 近年、日本人の半数が大都会へ流入し、田舎で農業をするものが激減した。その結果、食料自給率は40%を切り危機的状況を呈している。 しかしそれはこの数十年の異変であって、我が国は2000年間、水稲農耕で生きてきた正真正銘の...
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日本の忠義

武士の心構え 忠義は鎌倉時代に生れた武士の心構えである。 古来、関東平野は貴族不在とはいえ、すでに彼らの所有地である。都の貴族は関東に住む豪族(農業主)に軍備を整えさせ、住民から徴税させて安穏としていた。 ところが関東平野...
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苦肉の策“神仏習合”

神代の国 古来我が国は、八百万の神のまします神代の国であった。無論、神が目に見えるわけでなく、森羅万象に宿ると信じられてきた。 ところが6世紀、百済から朝廷に仏像が献上されると、朝廷はその扱いに戸惑うこととなった。なにしろいきな...
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数寄(すき)

歌道の風流 数寄は風流・風雅に心を寄せることをいい、鎌倉時代に入り、歌道の風流を意味するようになった。 それを体現したひとに西行がいる。家族を捨て歌道の道に没入した西行に、世間は憧憬と賞賛を惜しまなかったため、後世、彼に続こうと...
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日本人捕虜文化

我が国は過去に天下を二分する国内戦を3度、経験している。 1度目は源平合戦で、東の源氏が西の平氏を打ち破っている。これを機に、実権が貴族から武士へ移譲され、武家政権が誕生した。 2度目は関ヶ原の合戦で、やはり家康率いる東軍が...
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安楽死

消極的安楽死と積極的安楽死 誰でも死ぬときは人としてのプライドを保ったまま尊厳死、楽に逝ける(安楽死)ことを願うだろう。 元気なうちに遺書となる「尊厳死の宣言書」(リビングウィル)を書いておけば、医師側も家族の同意を得て治療を中...
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「もののあわれ」と「やまとごころ」

源氏物語への想い 宝暦13年(1763年)、世に名高い“松坂の一夜”で賀茂真淵との対面を果たした本居宣長は、これを機に『古事記』や『万葉集』の研究に本腰を入れるのであるが、なんといっても『源氏物語』は彼にとって特別の存在であった。 ...
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武士道精神

幕末武士道と無私 欧米に出かけた若者がもっともよくうける質問のひとつが、日本のサムライについてだそうである。 どうもサムライや武士道は欧米人にとって東洋の魅惑のひとつであるらしい。 欧米ばかりか我が国でも、若者たちが「サム...
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相対的無宗教

現在のわれわれは生きている間、宗教と深く関わることはほとんどない。 自らの葬儀にあたり、戒名を得てはじめて仏門に入るという次第である。 位牌・法事・先祖供養などは儒教からの借り物であるが、それにこだわるものもない。 ほ...
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儒教精神

突然、君は儒教の教えに従って生きているかと問われたら、とんでもないと答えるだろう。 そんなことは考えたこともないというだろうが、親孝行をしなければとか、弱いものには思いやりをもって接するとか、嘘はつかないとか、目上のひとには礼儀正...
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苦労人崇拝

学生達をみると、昔も今も、ガリ勉してないふりをしながら、陰でこっそり勉強するのが常である。 できることなら、「努力しないのにできる奴」といわれたい。何といってもカッコいい。学生にとっては憧れである。 ところでこの風潮、アメリ...
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家族の絆(きずな)

家族の扱い ある外国の中年男性が、 「自分はよく娘と一緒に散歩をするのだが、日本人の父親と娘が一緒に散歩するのを見たことがない。日本人が家族を大事にするというのは本当か?」 という質問をしていた。 確かに年頃の娘と歩...
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因果応報

ある結果に至った経緯を探ると、直接の原因はひとつでも、それに関する様々の条件がそろって初めて結果が生まれるという事実に気付く。 直接の原因を因といい、それを助ける条件を縁と呼ぶ。あわせて因縁という。 つまり因縁があって初めて...
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浪花節的世界

哀惜の念とは去りゆくものへの深い愛情から、別れを惜しみ、悲しみにくれるというものである。 「杓子定規」より義理人情の「浪花節」を好む我が国では、死にゆく者に対しても独特の対応を示すようにみえる。 例えば災害で、目の前に死にか...
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禅の世界

われわれは家に入ると靴を脱ぐ。居間では坐るのが当たり前である。 心乱れたときに自らを落ち着かせるため坐禅を組むのも、坐る文化の延長線上にある。 欧米人が禅に対して抱く憧れは、坐禅という静謐な雰囲気と、神のいない世界にいて、ひ...
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