出血や痛みに対してはまず保存的治療を主にします。
肛門を清潔にして温め、便秘や下痢にならないように便通を整えます。
食事療法だけでは便通が整わない場合には、整腸剤や緩下剤を服用します。
それに加えて、坐薬や軟膏を使用し、症状に応じて鎮痛剤や抗炎症剤を服用します。
食事は便秘気味の方は便通をよくするように野菜を多くとり、逆に下痢気味の方は脂肪や香辛料など下痢を起こす刺激性のものを避けるようにすれば、原則として制限はありません。
肛門の血行をよくすることも大事です。
なるべくお尻を冷やさないようにし、排便後はお風呂に入るようにするのが理想的です。
おふろに比べると効果はかなり落ちますがウオシュレットもよいでしょう。
長時間座る続けるお仕事の方は、定期的に(1~2時間おきに)休憩をとり、お尻を圧迫から開放することが大事です。
脱肛: 腫れてもいないのに、痔核が肛門外に脱出して手で押し込まないと戻らない状態(脱肛)は、手術の適応があります。
ただし痔は良性の疾患であるため手術の適応は、患者さんが脱肛を治したいかどうかで決定します。