肝臓は有り余るほどの予備能力をもっているため、相当のダメージをうけても、残りの部分がカバーして症状は出てきません。
この症状のない時期を代償性肝硬変とよびます。
ところが、この余力がなくなり、肝臓が動けなくなると、疲れやすく食欲がないなどの症状が出てきます。
この時期を非代償性肝硬変といいます。
非代償期になると、次のような危険なサインがでるようになります。
1.黄疸ビリルビンと呼ばれる色素が血液中に異常に増加することで、皮膚や白目が黄色くなってくる症状のことです。
2.クモ状血管腫
胸や肩、二の腕などに、クモが足を伸ばしたような形の赤い血管模様が現れます。
3.手掌紅斑
指や指の付け根などが赤くなる症状です。しかし、健康な人でも赤くなることがあるので、病的なものかどうかを見分けるのは難しいでしょう。
4.女性化乳房
男性にだけ現れる症状です。女性ホルモンの代謝異常が原因です。
5.出血傾向
血液を固まらせる血小板が減少するため、出血すると止まりにくくなります。血小板が10万以下になったら肝硬変を疑います。
6.腹部静脈の怒張
門脈圧亢進のため、おへそまわりの静脈が拡張し、お腹の表面にミミズばれのように静脈が浮き出ます。
7.食道静脈瘤
門脈圧亢進のため食道静脈が拡張し、血豆様になって破裂することがあります。
8.肝性昏睡
血液中のアンモニアが増える結果、脳が障害され意識が朦朧としてきます。