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iCM細胞(誘導心筋細胞) | 浦岡胃腸クリニック

SAISEIIRYOU

再生医療

iCM細胞(誘導心筋細胞)

マウス
心臓を動かしている心筋細胞は皮膚や肝臓のような再生能力をもっていないため、心筋梗塞などで心筋細胞が損傷されると、もとには戻すことができません。
心臓をつくっている細胞のうち、心臓を直接動かしている心筋細胞は30%ほどで、残りの70%は心臓線維芽細胞からできています。
ところで心筋梗塞や心不全になると、肝心の心筋細胞が減って、かわりに心臓線維芽細胞が増加することが分かっています。
そこで長年、この心臓線維芽細胞を心筋細胞へ直接転換することができないかという研究がすすめられてきました。

心筋細胞の作成

このたび、慶応大学医学部の家田真樹助教らは、米グラッドストーン研究所での共同研究で、マウスの心臓や尾の線維芽細胞から、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使わずに心筋細胞を作ることに成功しました。
iPS細胞が抱えるガン化の問題を回避でき、心臓再生医療を大きく前進させる画期的な成果であると評価されています。
家田氏らは心筋細胞だけで働く14種類の遺伝子のうち、3つの遺伝子(Gata4, Mef2c, Tbx5)を心臓線維芽細胞に導入すると、2割近い確率で心筋細胞ができることを発見しました。
この細胞をマウスの心臓に移植すると、腫瘍は発生せずに心筋細胞ができ、マウスの尾から採取した線維芽細胞からも、同様に心筋細胞が作られることを確認しました。
家田氏らはこの細胞をiCM細胞(誘導心筋細胞)と命名。
現在、ヒトの心臓線維芽細胞でも心筋細胞の作製を試みています。

手術をしない心筋細胞の再生

この研究が進展すれば、心筋梗塞や拡張型心筋症の患者さんの心臓にカテーテルを挿入して遺伝子を送り込み、開胸手術をせずに心筋を再生できる可能性がでてきます。
iCM細胞には、iPS細胞がもつあらゆる細胞に分化できる能力はありませんが、ガン化の危険性が低く安全性が高いこと、作製期間が数カ月を要するiPS細胞にくらべ、2週間ときわめて短時間ですむ利点が挙げられます。
今後の基礎研究では、まず3つの遺伝子の働きを解明することが大きな課題です。
また、いったん分化を終えた細胞がもとの幹細胞に戻るという経過をとらず他の細胞に変わる事実は、多くの研究者の注目を集めています。
その細胞分化のメカニズムについても、大いなる研究の発展が期待されます。

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