肺ガンの治療の原則は、ガンの小さい場合は手術か放射線、広がっている場合は化学療法です。
手術ができるのは小細胞ガン以外のガンで、ガンがまわりの臓器に広がっていないもの、気管分岐部にガンが及んでないもの、反対側の肺が健康で転移していないという条件がいります。
ガンの局在にもよりますが、径3cmまでのガンなら、胸腔鏡を使った手術が出来るようになってきました。
手術の傷跡が小さく術後の痛みが少なく、入院期間も短いという利点があります。
ガンを取り除いたあとも、少しでもガンの残存が疑われる場合には化学療法を行います。
小細胞癌は取りきることが難しく、きわめて転移しやすい性格をもっています。
ただ化学療法が非常に効くので、普通は手術は行いません。
化学療法単独よりも、放射線を併用したほうが、成績が良いことが確かめられています。
放射線療法は限局された領域にあるガン細胞に効果を及ぼします。
放射線療法は、がんを縮小するために外科手術の前に、または手術した領域に残るがん細胞を全滅させるために外科手術の後で用いられます。
放射線療法は呼吸困難などの症状を軽減するためにも用いられます。
放射線は通常の照射のほかに、ガンの中央付近に放射性物質を置き、そこから放射線を出す内照射という治療法もあります。
小細胞癌と扁平上皮癌は、放射線が効きやすいので、放射線治療の対象となっています。
光線力学療法PDT 光線力学療法(PDT)は、レーザー療法の1種ですが、血管に注射して体中の細胞に吸収される特別な化学薬品を使用します。
化学薬品は正常な細胞からは急速に消えますが、がん細胞には長時間とどまります。
がんに向けられたレーザー光線は化学薬品を作動させて、それを吸収したがん細胞を消滅します。
光線力学療法は、肺がんの症状を減らすために用いられますが、小さい肺がんの治療するために用いられます。