両親が太っている場合、その子供の約80%が太るとされています。
また、母親だけが肥満の場合、子供の太る確率は60%、逆に父親だけが肥満の場合は40%と言われています。
また、一卵双生児と二卵双生児、各々2000組の調査したところ、肥満の一致率は一卵性のほうが2倍も高いということが分かりました。
この結果、肥満体質は遺伝するらしいと考えられています。
1994年にマウスから肥満遺伝子が発見され、体内に大量の脂肪を蓄積する能力は遺伝することがわかってきました。
同じように食べても太る人と太らない人があるわけです。
また基礎代謝で使われるエネルギーが少なくなると太ってしまいますが、この消費エネルギーは「肥満遺伝子」によって左右されていることもわかってきました。
この肥満遺伝子に異常があるマウスは、レプチンという食欲を抑えるホルモンが脂肪細胞で作られず、異常に食欲が昂進するというのです。
もっともヒトの肥満ではむしろ高レプチン血症だといわれており、脳下垂体におけるレプチンの受容体が正常に働いていないのではといわれています。
ヒトのレプチンをマウスに注射してみたところ、マウスの肥満にも効果があることがわかりました。
こうしてレプチンはヒトの肥満にも効果があるのではないかという期待がもたれ、夢の特効薬になる可能性がもたれています。