IMMUNE

免疫のはなし

感染症

免疫のはなし

臓器移植後の画期的免疫療法

生体肝移植と拒絶反応 1960年代の初めから開始された肝臓移植は、すでに世界で10万件を超えておこなわれています。とくに欧米ではごく一般的な医療として定着しており、その大半は脳死の提供者から施行されています。 ところが我が国では、欧米にくら...
健康ミニ知識

起死回生の治療法となるか“糞便微生物移植”(FMT)

一人ひとり景色の違う腸内フローラ 私たちの便は1000種類で100兆個以上の細菌が、それぞれ同じ仲間の細菌たちと群れをなして、腸の表面にびっしり敷き詰められています。 その様子は一見、お花畑のように群生しているところから「腸内フローラ」(腸...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎の治療薬 ステロイド(副腎皮質ホルモン)

ステロイドの魅力 ステロイド薬は、非常に強力な抗炎症作用、免疫抑制作用、抗アレルギー作用を持っています。 このため、ペンタサ、アサコールだけでは効果不十分な炎症でも、これを抑えこむことができるのです。 しかしながら、ステロイド剤は治療効果が...
潰瘍性大腸炎の最新治療

潰瘍性大腸炎の治療薬 免疫抑制薬とは

タクロリムス(プログラフ)(経口)とシクロスポリン(ネオーラル)(静注)の2種類がありますが、現在、保険適応があるのはタクロリムスのみです。 ともに、カルシニューリン(細胞内の情報伝達)の作用を抑え、インターロイキン2(炎症をおこすサイトカ...
潰瘍性大腸炎の最新治療

免疫を抑える 生物学的製剤 抗TNF-α抗体とは

抗TNF-α抗体の作用 抗TNF-α抗体は、免疫をつかさどるマクロファージを破壊して、TNF-αの産生をストップさせるほか、TNF-αと結合してTNF-αが身動きできないようにしてしまいます。 このため、TNF-αによって発生した大腸の潰瘍...
感染症

VPD(ワクチンで防げる病気)とは?

VPDとは、Vaccine Preventable Diseasesの略で、「ワクチンで防げる病気」の意です。 世界には、罹ると致命傷になるような感染症が数多くありますが、ワクチンが開発されているのはそのうちの一部に過ぎず、いまだに予防でき...
感染症

意外に遅れている我が国の“ワクチン”接種

感染症とワクチン 感染症を予防するため、毒性を無くすか、毒性を弱めた病原体をからだに注入して抗体をつくらせ、感染症に罹らないようにする製剤をワクチンと呼びます。 ワクチン接種により、わたしたちのからだには免疫がつくられますが、決して発病させ...
健康ミニ知識

ストレスホルモンとは?

ストレスによって分泌されるホルモンをストレスホルモンと呼び、コルチゾール・アドレナリン・ノルアドレナリンが代表的です。 つまり、身辺に危機が迫った時、これを乗り越えようとして分泌されるホルモンで、最初にアドレナリンやノルアドレナリンが分泌さ...
感染症

ノロウイルス感染症

おもに11月から3月にかけ、嘔吐と下痢、腹痛を起こすウイルスです。カキなどの二枚貝(ウィルスで汚染された海水を取り込み、濃縮している)やサラダを、生あるいは十分に加熱調理しないで食べると、ヒトの小腸で繁殖し1~2日して急性胃腸炎をおこしてき...
ガンの基礎知識

放射線障害

放射線とはウランやプルトニウムなどの放射性物質から放出された波長の短い電磁波(X線、ガンマ線)や高速の粒子線(アルファ線、ベータ線、重粒子線、中性子線など)をいいます。 からだが放射線照射をうけると、まず最初に細胞の増殖が活発な胃腸や骨髄、...
感染症

ピンポン感染

ピンポンの球を打ち合うように、お互いに病気をうつしたりうつされたり、繰り返すことをピンポン感染といいます。 一番問題になるのは、性感染症に罹ったカップルの片方が、性交渉によりパートナーに病気をうつす場合です。 この場合は片方が治療をして完治...
医の倫理

飛び込み出産

妊娠しても産婦人科に行かず、かかりつけ医を持たない人が、陣痛が来て初めて病院に運ばれる。これを産科医の間では強引な出産依頼という皮肉をこめて、飛び込み出産と呼んでいます。 一方、世間ではこの人たちを出産難民と呼んで、病院が陣痛の始まった妊婦...
感染症

マダニが媒介する感染症 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染する病気です。 中国では2007年頃から流行し2010年9月に35名の死者が発表されました。 日本でも2013年になってから感染の報告が相次...
健康ミニ知識

人工赤血球

献血できる年齢層の減少 近年高齢化が進み、輸血用血液の需要は高まる一方ですが、逆に献血できる年齢層の人口が減少しており、深刻な不足状況が続いています。 とくに病気や事故で大量出血したときには緊急輸血が必要となり、なかでも赤血球は、原則、血液...
環境問題

バイオハザード(生物災害)

2001年、炭疽菌の入った手紙を米国の報道機関や議員宛てに送らるというテロが発生し、22名が感染、うち5名が死亡しました。 その20年前には、ソ連の生物兵器研究所から炭疽菌が漏れ出して市民66名が死亡、またイギリスではバーミンガム大学で、天...
感染症

院内感染

病院は病気を治療する場ですが、見方を変えれば、さまざまな病原菌をもった人たちの集まりであり、ウイルスや細菌が蔓延した場所ともいえます。 病院内では抗生物質や消毒薬を大量に使うことが多いため、これらの薬に抵抗力をもった新たな細菌(耐性菌という...
栄養ミニ知識

ニンニク (ガーリック)

我が国では餃子の具や焼肉のタレとして多用されています。食欲をそそる香味のほか、肉の臭みを消す目的にも用いられます。 ニンニクにはビタミンB1、B2が豊富に含まれ、摂取するとアリシンがビタミンB1にくっついてアリチアミン(市販品アリナミン)に...
核医学のはなし

放射線障害

放射線とはウラン、ラドン、プルトニウムなどの放射性物質から放出された波長の短い高エネルギーの電磁波(X線、ガンマ線)や高速の粒子(アルファ粒子、ベータ粒子、中性子)をいいます。 原子は電気的にプラスの陽子と中性の中性子からなる原子核のまわり...
生命の進化

人工細菌の登場

一部の宗教家からは「神の領域へ足を踏み入れようとしている」と非難されそうな話しです。 このたび、ヒトのゲノム解読に携わったクレイグ・ベンター博士の率いる研究所が、「人工細菌」を作ることに成功しました。 つまり、DNAをつないで実際に機能する...
免疫のはなし

アレルギーコップ

何年かかけて花粉症を発生させる物質がコップに溜まったとしましょう。 そしてある日、コップが一杯になってこぼれ始めたとき、花粉症が発生するといわれています。 子供のころは何ともなかったのに、大人になってある日突然花粉症になったというのは、じつ...
感染症

エイズ(後天性免疫不全症候群)

現在、世界のエイズ患者数は5000万人を超え、我が国でも公称は1万人ですがおそらく数万人にのぼるといわれています。 米国では、80万人以上がHIVに感染していると推定され、毎年4万人づつ増えています。 最もエイズに汚染されているといわれるア...
感染症

クラミジア感染症

現在、我が国ばかりか世界でもっとも多い性感染症がクラミジア感染症です。 我が国では現在、男性15万人、女性80万人、合計約100万人のクラミジア感染者がいるといわれています。 この病気が蔓延している最大の理由は、症状が出にくい(女性の8割、...
感染症

日和見(ひよりみ)感染

日和見とは、通常まわりの状況に応じて自分の態度を変えるという、あまり好ましくない意味に用いられています。 日和見感染とは高齢や病気により免疫力が低下した場合、そのひとのからだに常住している平素は無害な菌が、突然暴れはじめるものをいいます。 ...
感染症

性感染症(STD)

STDとは“sexually transmitted diseases“の略で、セックスによってうつる病気全体を指しています。 STD感染者の数はここ4~5年で急増し、国内感染者数は20代の男女を中心に600万人、毎年60万人が感染している...
感染症

レジオネラ感染症

近年、温泉ブームにより各地に温泉施設が設立させるようになりました。 多くは衛生管理が行き届いていますが、人手不足や経営悪化などにより、時には衛生管理が不十分になることが考えられます。 レジオネラ感染症の多くはこのように不衛生な循環式浴槽設備...