活性があるというと良い印象を抱きますが、活性酸素は過激な行動をする酸素という悪い意味で使われます。
自分自身が構造上不安定な状態にあるため、まわりの分子や原子から強引に電子を奪って(酸化という)安定しようとします。
活性酸素は呼吸することによって発生するため、発生を避けることは出来ません。
私たちのからだの細胞の中心部には“核”があり、そのまわりに小さなミトコンドリアという顆粒が集まっています。
この顆粒のなかで活性酸素はつくられます。
細胞はブドウの房のようなもので、外側の皮の部分が細胞膜です。
細胞膜は不飽和脂肪酸からできていますが、活性酸素はこの不飽和脂肪酸を有害な過酸化脂質にかえてしまいます。
過酸化脂質はからだをさびつかせ、動脈硬化(老化)をおこす危険物質です。
さらに活性酸素はDNA(遺伝子本体)を傷つけ、遺伝子の突然変異を誘って、ガンを発生させる危険があります。
呼吸すれば、吸った酸素の2%は活性酸素に変わりますから、ゼイゼイいうほど過激な運動をすれば活性酸素が増えて、かえって動脈硬化(老化)を進めることになってしまいます。
羽を切って運動できないハエは、自由に飛び回るハエより長生きすることが分かっています。
運動はしないほうが良いということになりそうですが、運動をやめてしまうと今度は体力の低下や免疫力の低下のために病気にかかりやすいことになります。
運動はしすぎてもいけないし、止めてしまうのもいけません。
活性酸素は過激な運動で激増しますが、そのほか喫煙や放射線・電磁波あるいは紫外線・排気ガスなども発生の原因になります。
また、ダイオキシンや食品添加物またストレスでも活性酸素が発生します。
これに対し、活性酸素の発生を抑える抗酸化物質としては、SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)がもっとも代表的です。
活性酸素の天敵ともいうべきもので、活性酸素を分解・除去してしまいます。
ところが、このSODも40歳を過ぎると若いときの半分にまで減ってしまい、60歳では4分の1にまで減少してしまいます。
そこで、SODを少しでも増やすヒケツは、軽いジョギングや早足歩行を毎日30分から60分続けることが大切です。
そのほか抗酸化物質には、ポリフェノール、カロテノイド、ビタミンC, ビタミンE、コエンザイムQ10など数多くの物質があります。