たとえば、裸で街に出かけるひとはいないでしょう。
服を着るのは、人間のもつ羞恥心に由来するといえます。
しかし、服は寒さを防ぐために不可欠であり、何かに突き当たったとき、からだを守るためにも必要です。
ただし、服だけでは間に合いません。
実は、私たちのからだは中性脂肪という防禦服で覆われ、わが身を守っているのです。
しかも生きるための知恵といいますか、余分に摂り過ぎたエネルギーは、飢えに備えて、中性脂肪のかたちでからだに保存されるのです。
そしてエネルギーが不足すると、皮下に貯められた中性脂肪は遊離脂肪酸という物質に分解されてエネルギー源になるのです。
つまり中性脂肪は貯蔵用の脂肪、遊離脂肪酸は即戦用の脂肪といえましょう。
中性脂肪は脂肪ばかりでなく、炭水化物やアルコールなどカロリーの高い食物をとりすぎると上昇します。
肝臓などの内臓や皮下にたまると血栓が解けにくくなり、心筋梗塞や脳梗塞の重大な原因になります。
皮下に溜まれば(皮下脂肪)すぐに肥満と気付きますが、内蔵周囲につくと(内臓脂肪)、かくれ肥満となって見過ごされがちです。
内臓脂肪は皮下脂肪よりも生活習慣病(高脂血症・糖尿病・高血圧など)をおこしやすくするといわれています。
いわゆる体脂肪とは、からだ全体についた脂肪のことをいます。
肥満は、男性や年配の女性に多い、お腹や上半身が太ったビヤ樽タイプの内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満) と、 下半身デブといわれる女性に多い皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満) に大別されます。
肥満の程度はBMI(体重を身長で2回割る) という値で表現されますが、最近、ウエストサイズのほうが、将来の病気のリスクを正しく予想できるといわれています。
男性85cm、女性90cm以上は要注意です。
軽い持続運動(早足歩行・ジョギング)をおすすめします。