ピロリ菌により傷つき、萎縮した胃の粘膜が、ピロリ菌を除菌することによって回復し、胃酸の分泌が盛んになります。このため、逆流性食道炎が増加するという説明がしばしばされています。
たしかに除菌によって胃体部の胃炎が回復する結果、逆流性食道炎が多発しているのは事実です。しかしもともと胃体部に胃炎がない(十二指腸潰瘍など)ひとでは、除菌後に胃酸の分泌が低下し,かえって逆流性食道炎が改善することもあります。
なお、除菌後に逆流性食道炎をおこした場合では、症状が悪化するケースはほとんどないというのも特徴といわれています。