昭和年代には中高年のかたがたの多くは、いつの間にか結核菌に感染し、自然に抵抗力(免疫)を得ていました。
ところが現在、自然環境が整備されたおかげで、中年以下の若者の多くは、結核に感染する機会がなく、抵抗力もありません。
いまや日本社会は、結核菌に対する免疫のない若者たちと、結核菌に対する免疫力を失いつつある高齢者で形成されているという、皮肉な現実に向かい合わなければならなくなりました。
このため若い世代の多くは、結核菌に未感染のため、結核菌を吸い込むと感染しやすく簡単に発病してしまう危険があります。
一方、免疫力の低下した高齢者のなかには、いつの間にか発病して、若い世代は勿論、他のお年寄りや医療スタッフにも感染させてしまうというケースがみられます。
こうした感染が老人ホームや病院での集団感染を引き起こす火種になっているのです。