レアメタルとは、量が少ないとか、精錬のコストが高いなどの理由で流通が少ないものの、産業面で必要不可欠とされる非鉄金属のことをいいます。
このレアメタルのうち、17の元素をひとまとめにしてレアアース(希土類)と呼ぶようになりました。
その理由は、鉱石のなかからその元素だけを採り出すのがきわめて難しいため、貴金属なみの扱いをされるようになったからです。したがって埋蔵量が少ないという意味ではありません。
ハイブリッド車の駆動モーター、家電製品の蓄電池やLED、研磨材、永久磁石のほか、光触媒やニューガラスの機能向上、構造物の強度増強やさび止めなど多方面に使用されています。
現在のレアアース生産は中国が世界シェアーの97%を占有しています。
したがって現在我が国もほとんどを中国頼みの状況ですが、2007年海洋基本法が施行され、メタンハイドレートと並んでレアアースの海洋資源開発は新しいイノベーション(技術革新)をもたらすとして、国を上げて取り組むことになりました。
深海に眠るレアアース資源
このような状況下で、中部沖縄トラフの水深1,000メートルの海底や南鳥島周辺の水深5,600メートルの海底にレアアース資源が発見され、おおいに期待が高まっています。
このレアアース資源は、陸上での資源開発で障碍となっている放射性元素をほとんど含まないため、探索に危険を伴わないというメリットがあります。しかも希少価値が高い重レアアースの割合が多く、良質だというのです。
しかしなにしろ深海に眠る海底資源ですから、これを安全、確実に海上まで引き上げる技術を確立することが今後の課題です。
シェール革命との違いは、これが単にガスや石油などの資源を入手するだけなのに対し、レアアースには強力な磁力や多彩な発光性能があるため、ハイテク素材として今後さらに未知の機能が発見される可能性が大きいのです。
したがってレアアースは、我が国が技術立国を目指すうえで夢の資源ということができましょう。