大腸ガンは遺伝しやすいガンといわれていますが、実際遺伝することが明らかな大腸ガンは2種類ありますが、両方あわせても5%程度です。
ひとつは家族性大腸ガン(遺伝性非ポリポージス大腸ガン)といわれ、複数の修復遺伝子(hMSH-2, hMLH-1, hPMS-1, hPMS-2, hMSH-6 など)の異常が原因で発生します。
但し、まだすべての遺伝子異常が解明された段階にはありません。
この病気は若年で発症し、親子兄弟などに出やすく、大腸ガンが同時に数ヶ所発生したり、胃がんや肺ガンなどと同時に発生しやすい傾向があります。
したがって、家族に大腸ガンが多いかたは、若年であっても病院を受診し、医師と相談のうえ、定期検査をうけておかれたほうがいいでしょう。
もうひとつは家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)といわれるもので、APC遺伝子と呼ばれる遺伝子の異常が原因です。
大腸内に無数のポリープが発生し、放置すれば60歳ぐらいまでに必ず大腸ガンになるといわれています。
通常15歳前後でポリープが発生し始め、年々数と大きさが増大します。
そして40歳では50%、60歳ではほぼ100%、これらのポリープから大腸癌が発生してきます。
したがって、癌発生が稀な20歳前に、大腸切除手術をうけておくのがよいとされています。