淡水に生息するプランクトンの一種で、細胞中に葉緑素を持つ緑色の緑藻類です。光合成能力が高く、空気中の二酸化炭素・水・太陽光とごく少量の無機質があれば大量に増殖します。飼料・飲食品・化粧品のほか、汚水の浄化にも利用されています。
クロレラは蛋白質の含量が50%を超えるほど高いのが特徴で、一時は将来の食料資源のひとつとして研究されたこともあります。
蛋白質(約50%)、脂質(約20%)、糖質(約20%)のほか、ビタミンA、B群、C、E、K、ミネラル(鉄・カルシウム・マグネシウム・亜鉛・カリウム)、食物繊維、およびクロロフィル(葉緑素)など、健康に必要な栄養素を豊富に含んでいます。
クロレラには高コレステロールや高血圧の改善作用がみられますが、基礎研究ではクロロフィルやビタミンによるとおもわれる抗酸化作用や免疫の活性化が認められています。
しかし現在、ひとに対する有効なデータは残念ながら得られておりません。
このようにクロレラは健康食品として十分な役割を果たしているとおもわれますが、一部のひとにはアレルギー反応を示したり、ビタミンKが豊富なため、抗血液凝固剤(ワーファリンなど)が効かなくなる心配があります。
また、地球温暖化問題の二酸化炭素削減を考えるにあたって、クロレラなど藻類の光合成を利用しようとする壮大なプロジェクトが立ち上がっています。
とくに普通の植物の10倍以上という光合成効率で二酸化炭素を削減できるため、世界の注目を集めています。