ウイルスやガン細胞などの侵入に対しこれを阻止しようと自分の細胞がつくりだす蛋白質(サイトカインの一種)で、ウイルスの増殖を抑えたり、ナチュラルキラー細胞を活性化してガン細胞を攻撃します。
このウイルスの増殖を抑制する因子、つまりウイルス干渉(Interference)という意味からInterferon(インターフェロン)と命名されました。
ただ細胞の作り出すインターフェロンの量は極めて少ないため、実用性がなかったのですが、バイオテクノロジーで大量生産できるようになったため、C型肝炎の治療、ガン治療などに用いられるようになりました。
とくに1980年代、悪性腫瘍に効果があることが発見されてからは、抗ガン剤として発展していきました。
インターフェロンにはα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、ω(オメガ)の4型があり、この中でαとβはC型肝炎ウイルス(HCV)の増殖を抑え、ウイルスの本体を破壊するため、C型慢性肝炎の治療につかわれています。
ペグインターフェロン
とくに近年開発されたペグインターフェロンは、従来のインターフェロンにポリエチレングリコールを結合させ、長時間にわたり効果が持続するようにつくられているため、週1回の投与で十分な抗ウイルス作用が発揮できるのです。
また、腎臓癌や白血病、多発性骨髄腫等に対しても有効性が認められており、抗ガン剤として用いられています。
インターフェロンの副作用としては、投与後しばらくは発熱や頭痛・筋肉痛・関節痛がみられます。1週間~2ヶ月たつと、食欲不振・吐き気・皮膚のかゆみや抑うつがみられるようになります。
また2ヶ月以降には、脱毛・甲状腺機能異常・眼底出血・糖尿病の悪化などがみられています。