尿酸は尿に排泄される酸という性質から命名され、通常は腎臓から老廃物として排泄されます。
ところがこの尿酸は血液に溶けにくく、しかも腎臓から排泄しにくいため、血中濃度7.0㎎/dlを超えると尖った小石のごとき結晶となって、足の親指の付け根や膝の関節などに溜まり、放置すると5~10年後には、風に吹かれただけで痛むという痛風発作をおこすようになります。
また、痛風発作がないからといって尿酸が高いまま放置すると、しばしば腎臓障害を起こすようになります。さらに脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病の発症も数倍高くすると言われています。
また尿酸が高いと腎臓に結石(腎臓結石)が出来やすくなり、その石が尿管へ移動すると尿管結石・激痛をおこしてきます。
多量の水分をとって石が尿管から膀胱へ落ちればいいのですが、尿管にひっかかって落ちなければ痛みはとれません。
その場合は、泌尿器科を受診し、ESWLなどによって石を破砕してもらわなければなりません。
一般に尿が酸性になると結石が出来やすく、アルカリでは溶けやすいので、野菜・海藻・きのこ・果物を摂って、尿をアルカリ性にする必要があります。
ところで、新陳代謝によって、からだの古くなった細胞が分解されると、細胞の核に含まれる核酸が分解され、肝臓でプリン体がつくられます。そのプリン体が分解されてできる老廃物が尿酸です。
このため尿酸を下げるために、プリン体を多く含む食品(肉類・卵類・魚介類など)の摂取制限が長年強調されてきました。
しかし近年、プリン体の大半は体内の肝臓でつくられ、プリン体の多い食品を摂取したからといって高尿酸血症にはならないことが判明し、主に飲酒・過度の運動・精神的ストレスの3つが尿酸値を上げる原因であると指摘されています。
尿酸値を下げるには、過飲食に気を付けるとともに、運動を適度にしてストレスを避け、低脂肪乳やヨーグルトを毎日コップ一杯飲みつづけることをお勧めします。
さらに腎臓で尿酸が排泄されないため尿酸の上がる場合には、排泄を促す薬を服用する必要が出てきます。