サルコペニアは造語で、サルコは筋肉、ペニアは減少の意で、筋肉の減少によって、からだが動きにくくなる状態をいいます。
歳とともに、頻繁につまずくようになったり、手をつかないと立ち上がりにくいような症状が出始めると、サルコペニアを疑わないといけません。
とくに高齢者が10日間ベッドに寝る生活をすると、筋肉を1.5キロ失い、再び歩くのが難しくなるといわれています。
このように、筋肉の減少は単に老化だけでなく、なにかの理由でからだを動かせなくなった場合や、栄養不足に陥った場合にもおこってきます。
たとえば手術や骨折で入院したり、心身症で食欲が低下するだけでなく、ガンに冒されたり、細菌に感染したり、心臓、腎臓、肺などを患った場合にも、サルコペニアは出てきます。
一時的にからだが動かせず、栄養不足で筋肉が衰えた場合は、筋力も回復の見込みがありますが、加齢や不治の病で筋肉が衰えた場合は、回復困難なことが少なくありません。
現在とくに問題になっているのは、高齢者が急増するのに伴い、認知症や動けない老人が増えているという事実です。
筋肉の老化と脳の老化の関わり
つまり筋肉の老化サルコペニアは、脳の老化アルツハイマー病としばしば相関しているようにおもわれます。
筋肉量の減少は、ひとつには筋肉の繊維の数が減ることにより、ひとつには筋肉の繊維が細くなることにより発生しますが、筋肉量は30 歳ごろをピークに減少し始め、80歳以上では半数にサルコペニアを認めるといいます。
その最大の原因は、交通手段が発達した結果、現代人が重いものを持たず、自分の足で歩かなくなったことにあります。
サルコペニアを回避するためには、筋力トレーニングを欠かすことができません。とくに60歳を過ぎれば、意識して筋力アップのトレーニングを習慣づけるようにしてください。
また同時に、ビタミンDを摂ると骨が丈夫になるだけでなく、筋肉も丈夫になることがわかっています。
さらに分岐鎖アミノ酸まぐろの赤身、肉、卵なども骨を丈夫にする可能性が高いと言われており、積極的に摂るようにしてください。