負のフィードバック作用
まわりの環境がどんなに変化しても、自分のからだの調節機能である体温や血液の浸透圧、血圧、血糖、電解質などが影響をうけず、常に安定した状態を保つことをいいます。
具体的には、暑くなると交感神経が作動し、皮下の血管をひらいて体内にこもる熱を逃がし、更に汗をかいて体温を下げます。また、逆に寒いときには鳥肌が立って、熱が出ていくのを防ぎます。
また食べ過ぎて血糖が上がると、インスリンが分泌されて血糖を下げ、逆に血糖が下がると、グルカゴンが分泌されて血糖を上げて正常値を保とうとします。
血液のカルシウムが減ってくると、ビタミンDが働き、骨からカルシウムを出して腎臓から出ていくのを止めます。
逆に血液のカルシウムが増えてくるとカルシトニンが働き、腎臓からカルシウムを排泄して骨から出るのをストップさせます。
このように恒常性が保たれるためには、体内部に変化がおこったとき、それを元に戻そうとする作用、つまり変化を逆行させる働きがおこらなければなりません。
これを負のフィードバック作用と呼びます。
この作用を司っている中枢が脳の視床下部にあり、その指令は自律神経系や内分泌ホルモンによっておこなわれています。
こうしてホメオスタシスを維持するために、次の3つのシステムが互いに連携しながら作動しています。
一つ目は自律神経による調節で、交感神経と副交感神経の働きによって、呼吸や血液の循環をコントロールしています。
二つ目はホルモンの分泌によって、血糖や電解質を調節したり、必須栄養素の合成や排泄を促しています。
三つ目は自己防衛システムである免疫の働きによってウイルスや細菌、有害物質を排除しています。