活性酸素を取り除く抗酸化物質は、①フィトケミカル、②抗酸化ビタミン、③抗酸化ミネラルに大別されます。
①フィトケミカルとは植物などに含まれる天然の化学物質で、ポリフェノールやカロテノイドに分けられます。
ポリフェノール
ポリフェノールは光合成で発生する物質で、アントシアニン(ブルーベリー、ぶどう)、カテキン(緑茶)、イソフラボン(大豆)、サポニン(高麗人参)、ルチン(そば、いちじく)などのフラボノイドと、セサミン(ごま)、タンニン(紅茶、ウーロン茶)、クロロゲン酸(コーヒー、ゴボウ)などのフェノール酸があります。
カロテノイドの代表 カロテンとキサントフィル
カロテノイドは野菜、果物の赤や黄色の色素成分で、細胞膜で働くカロテンと、細胞の中で働くキサントフィルとに分けられます。カロテンは炭素と水素のみで酸素を含まず、キサントフィルは酸素を含んでいます。
カロテンの代表はアルファ及びベータカロテン(人参、かぼちゃ)で、体内に入るとビタミンAとなって皮膚や目の働きを改善します。またリコピン(トマト、スイカ)は赤色の色素で、抗酸化作用はベータカロテンより強いといわれています。
キサントフィルの代表は黄色色素のルテイン(ほうれん草、とうもろこし)で、紫外線から網膜を保護します。またゼアキサンチン(トウモロコシの種子やほうれん草・卵黄)も黄色色素で、網膜に蓄積されて抗酸化作用を示し白内障を予防します。またアスタキサンチン(鮭・エビ・カニ)は赤い海藻およびそれを食する魚介類で、皮膚や脳の機能を改善します。
抗酸化ビタミン(ビタミンA,C,E)
②抗酸化ビタミンにはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEがあります。
ビタミンA(にんじん、カボチャ、ほうれん草)は皮膚、粘膜、視覚を保護します。ビタミンC(レモン、イチゴ、柑橘類)は皮膚の美白やコラーゲン生成に関与し、悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑えます。またビタミンE(アーモンド、落花生、ゴマ、うなぎ)は細胞膜で過酸化脂質が作られるのを抑え、動脈硬化を予防します。
抗酸化ミネラル(セレン、亜鉛)
③抗酸化ミネラルは、体内で作られる抗酸化酵素の働きを強化する働きをします。
その代表はセレンと亜鉛で、セレン(納豆、豆腐、かつお節、卵)は抗酸化酵素の成分で、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)とともに過酸化脂質を分解します。また、亜鉛(カキ、ココア、豚肉、牛肉)は皮膚炎や味覚障害などを防御し、免疫能を増強します。
以上の抗酸化物質を、我々は毎日野菜(350g)や果物(200g)などから摂る必要があります。