人の遺伝子が配列されている22対の常染色体と2対の性染色体には、その両端
にテロメアという小さなひも(命の回数券)があって、染色体を保護しています。
このひもは細胞の分裂回数を覚えていて、分裂のたびに回数券を切って短くなり、50~60回の分裂で回数券を使いきると細胞分裂を止めてしまうのです。
ところが、このテロメアには、回数券を切ってもすぐそれを補充してテロメアの長さを保ってくれる“テロメアーゼ”という酵素があるのです。
一見、不老長寿の切り札のように思われますが、現実にはガン細胞にみられる現象で、ガン細胞が死なないのはテロメアーゼが活発に働いて、テロメアの長さを永遠に保っているからなのです。
すなわちテロメアーゼは正常細胞をガン細胞化してしまう危険が大きいのです。
もしこのガン化というハードルがクリアーできれば、本当に不老長寿が実現するかもしれませんね。
テロメアの長さは、食事を節制して少なめにするとか、体温を少し下げることにより、長くすることができるといわれています。