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医の倫理

プライマリ・ケア

ジョギング
プライマリ・ケアとは、近くにいてくれて、どこが具合悪くても相談にのってくれる頼りになる医師の医療をいいます。

つまり、特定の病気だけを診る専門医療と異なり、患者を一人の人間として、総合的に診療する医療です。

緊急の事態が起こったり専門的な医療が必要になったりしたときは、直ちに専門医を紹介してくれます。

専門医と区別して、総合医・総合内科医・総合診療医などと呼ばれます。

総合医は日常の外来診療・在宅診療だけでなく、学校医や産業医を務めるほか、休日診療・予防接種・成人病検診・乳幼児検診・健康講座などにも参加し、住民の健康増進に寄与しています。

予防重視の医療への転換

現在我が国の医療は、老人医療・終末期医療・難治性の疾患の高額医療などのために医療費の急増を招き、健康保険制度の維持が困難な状況になっています。

したがって現状を改善するために、治療重視・予防軽視型の医療から、予防重視の医療への転換が叫ばれるようになりました。

そのためにはプライマリ・ケアを充実させることが最も重要となります。

なかでも、専門医療との密接な連携(病診連携)はこれからの医療体制を考えるうえで、最重要課題と位置づけられています。

プライマリ・ケアは、患者側からみれば、いつも同じ医師に診てもらえるという安心感が重要なウエイトを占めていますが、最近、看護の世界でもプライマリ・ナーシングが重要視されるようになってきました。

これは、ある患者さんの看護ケアを、入院から退院まで一人の受持ち看護師が継続して責任を持つ体制のことをいいます。いずれも今後の医療体制の基本になるものとおもわれます。