ペンタサ
「ペンタサ」も「アサコール」も、ともに中身はメサラジンですが、ペンタサは時間とともにメサラジンを放出するため、小腸で55%、大腸で45%が吸収され、小腸・大腸の両方に効くようにつくられています(クローン病のような広範囲の病変に向く)。
アサコール
一方、アサコールはpHが7以上になって作動するようにつくられているため、大腸に到達してからメサラジンを放出します。つまり大腸で集中的に作用するように製剤設計されています。
とくに直腸、S状結腸では、メサラジン濃度はアサコールのほうがペンタサより高いので、より有効ではないかとの意見があります。
したがって、理論的にはアサコールのほうが潰瘍性大腸炎に向いているといえそうですが、臨床の現場では、今のところ、両者の治療効果にあまり差は認められていません。
リアルダの登場
また最近、同じメサラジン製剤ですが、アサコールと同様、大腸に到達してからメサラジンを放出する「リアルダ」が登場しました。その特徴は、親水性基剤と親油性基剤を組み合わせてつくっているため、大腸内にメサラジンがまんべんなく、少しずつ広がるように工夫されています。今後、その評価が待たれるところです。