グルコサミンは、自然界ではカニやエビなどのキチン質に多量に存在しています。
糖とアミノ酸が結合した物質で、ひとのからだには軟骨・爪・靱帯などに存在します。
グルコサミンは、軟骨を形成していくうえで最も基本となる成分で、軟骨組織や関節液にあるコンドロイチンやヒアルロン酸の主原料でもあります。
軟骨や皮膚の再生とともに、関節の炎症を抑え、傷ついた軟骨を修復し、変形性関節症や慢性関節リウマチの痛みをとる働きをします。
このため、関節の修復材とも呼ばれています。食品としては、うなぎやカキ・フカヒレなどに含まれています。
グルコサミンをサプリメントとしてとった場合
グルコサミンはアミノ酸と糖を原料に肝臓で合成されますが、これをサプリメントとしてとった場合、小腸内でいったん分解されて体全体に運ばれますから、目的の関節へ届く可能性はきわめて低いと言わざるを得ません。
事実、米国医療研究品質局(AHRQ)は2007年、変形性脊椎症による慢性腰痛にグルコサミンの内服は無効であると結論しましたし、2010年7月、JAMA(米国医師会雑誌)に、グルコサミンのサプリメントを服用しても、関節の炎症や関節痛をとることはできないという結果が発表されました。
また逆に、若者が長期間グルコサミンを摂ると、軟骨を再生する能力が低下する危険がありますし、糖尿病・高血圧・高脂血症が悪化する可能性が指摘されています。
さらに、ドイツ連邦リスク評価研究所は、ワーファリンなどの血液凝固阻止剤を服用しているひとがグルコサミンを同時に服用すると、血液凝固阻止作用が増幅されるため、かえって危険であると指摘しています。