蜂に刺されたり、蛇やハムスターに噛まれたり、エビ・イカ・カニや鶏卵・牛乳・小麦・そば・ピーナッツなどの食物アレルギーを経験したひとが、その時はたいした症状がなかったのに、2度目に同じ経験をすると、過剰なほどにアレルギー反応をおこすことがあります。
これをアナフィラキシーと呼びます。
普通の風邪の菌ならおこりませんが、蜂や蛇などの毒ではこのような過剰反応をおこすことがあるのです。
すなわち、蕁麻疹が出たり、全身が赤くなって顔がむくみ・嘔吐・下痢や腹痛がおこるほか、悪化すると血圧が下がって呼吸困難となり、意識がなくなるなどの重篤な状態をアナフィラキシーショックといいます。
治療の基本は、血圧・心臓を安定にコントロールすることと、喉頭浮腫による呼吸困難をとってあげることで、エピネフリンの皮下注射が最も有効です。
根治的には、減感作療法が有効といわれています。すなわち、アレルギーを引き起こしている物質のエキスを少量ずつ注射しながら、徐々に量を増やしていく方法です。
アナフィラキシーショックは、いったん症状がよくなっても、しばらくしてもう一度発作をおこすことがあります。このため少なくとも1日間は安静にして容態を観察しなければなりません。