加熱殺菌した乳酸菌が寿命を延ばす?
ロシアのノーベル賞受賞者メチニコフは、マウスに生きた乳酸菌を加えた餌と過熱殺菌した乳酸菌を加えた餌を別々に与えた結果、過熱殺菌したほうが、寿命を延ばすことに気付きました。
すなわち、生きた乳酸菌そのものでなく、乳酸菌が生成する菌体成分や分泌物が腸内の腐敗菌の増殖を阻止し、マウスの成長を促していると考えました。
つまり、乳酸菌が大腸にたどり着く前に胃液で死んだり、免疫システムによって殺菌されてしまっても、乳酸菌の菌体成分が善玉菌の餌となって善玉菌の繁殖に役立っていることが分かってきました。
大腸内に棲み着くことができない乳酸菌
一方で、生きたまま乳酸菌を腸に到達させても棲息できるのは数日で、大腸内に棲み着き増殖することはないことも分かってきました。
結局、乳酸菌が生きているか死んでいるかは関係がなく、乳酸菌の菌体成分の多いほうが寿命を引き延ばしているのです。
したがって、ヨーグルトやチーズ・漬物・味噌など乳酸菌食品は単発的でなく、毎日摂りつづけることが重要なのです。