旨味
発酵食品の魅力の第一は、乳酸菌などの微生物によってつくられる独特の旨味にあります。
とくに微生物を組み合わせることにより、デンプンがブドウ糖に、タンパク質がアミノ酸に分解されることでアルコール・有機酸・二酸化炭素を生じ、独特の旨味や甘みが生まれ、多彩な食感を楽しめます。
家庭の手作り味噌の味が、各家庭で異なる理由もここにあります。
食べ物の栄養価を高める
発酵食品の魅力の第二は、食べ物の栄養価を高めるところにあります。つまり発酵により栄養素が消化・吸収しやすい形になり、さらに微生物の働きで酵素が産生され、もともとその食品には無かった質の高い栄養成分が生み出されるため、栄養価が高くなるのです。
さらに乳酸菌が腸内フローラを正常化したり、納豆菌がナットウキナーゼを生んで血流を改善するなど、発酵させる菌自身に有益なものが数多くあります。
食品の長期保存
発酵食品の魅力の第三は、食品の長期保存を可能にしたことです。食べ物にカビや雑菌が付着して繁殖すれば腐敗して食べられませんが、逆に発酵を担う細菌たち(発酵菌)は、ほかの微生物の繁殖をおさえて腐敗を防ぎ、食品を長期保存できるようにしました。
発酵食品に含まれる善玉菌は、食材を腐敗させる悪玉菌の働きを封じ込めるだけでなく、発酵によって生じた成分にも殺菌作用を示すことがあり、保存性を一段と高めることに寄与しています。
抗酸化作用
発酵食品の魅力の第四は、発酵により抗酸化作用が強化されることです。つまり通常、食品中に含まれるカロテノイドやポリフェノールなどの抗酸化物質は、細胞内で強く結合しているため十分な働きができません。
しかし乳酸菌などによる発酵過程で生じた酵素がこの結合を取り外すため、強力な抗酸化作用を示すようになるといわれています。