戦後、世間ではあたかも消滅したかのように思われていた結核が、近年増加に転じ、世界中を慌てさせています。
2004年の結核による死者は開発途上国を中心に320万人と過去最大で、1年間に発生する結核患者は800万人に上っています。
我が国でも、毎年4万人があらたに感染しているといわれています。
昔は知らないうちに結核菌に感染し、自然に免疫のできていた人が多かったのです。
ところが衛生状態が良くなったおかげで、この50年間、結核菌に出会ったことのない日本人が大多数となり、いったん誰かが感染すると簡単に発病し、まわりへ集団感染する危険が大きくなってきました。
結核菌はほかの細菌にくらべ極めて強力なため、治療には細心の注意が必要なのです。