腸の運動を調節しているのは自律神経です。
したがって手や足は自分の意志で動かせますが、腸を動かすことはできません。
過敏性腸症候群とは、自律神経による腸の運動の調節が狂ったため、便秘や下痢などの便通異常がおこるものをいいます。
原因は精神的な異常によるものと、自律神経失調症によるものがあります。
症状は便通異常のほかに腹痛、腹部の不快感・膨満感などがあります。
ただしこの病気は大腸検査をして、潰瘍やガンなどの病変がないことを確認しないかぎり、診断することはできません。
この病気は症状によって3つのタイプに分けられています。
1.下痢と便秘を繰り返すタイプ
日本人にもっとも多いタイプで、おなかの痛みを伴うことが多い。
便秘だけの場合もある。
2.慢性に下痢をするタイプ
数年にわたって下痢がつづくことが多いが、そのわりに体重は減らないのが特徴。
腹痛はみられないこともある。
3.多量に粘液がでるタイプ
日本人には少ないタイプ。
便秘につづいて激しい腹痛とともに多量の粘液がでる。